P2S2R&B的勉強方法 ver7

最初の1歩
[2005/07]

この企画もver6で終わりだったハズだけど、やっぱり実践編も大事だと思う。理論?も悪くは無いけど、それを生かす例題はやっぱり必要だから。この例題がどれだけ役に立つかは分らないけど、無いよりはマシになるかな。

「頭の体操」っていう本がある。第1版が66年だから随分と古い本なんだね。BookOffで100円ぐらいで売ってると思う。中学校の頃に10冊ぐらい持ってた。親が意義を認めたからかもう忘れたけど、たぶんこづいかいで買ったわけじゃないと思う。なぞなぞや古典的なパズルとか色々と載ってる本です。この手の本は沢山あるし、一冊くらいは買ったことがある人も多いと思う。

この本は問題構造を壊すのを求めている時と、正攻法で解くのとの区別が無くて、えんえん考えて「ここで問題構造を壊していいのかよ、おい」と突っ込みたくなる事があった。正攻法で解くってのは、その名の通り与えられた条件を満たす形で解くことです。問題構造を壊すってのは暗黙的な仮定を壊す時で、例えば、有名な「宣教師と人食い人種問題」の答えに「上流に橋があった」って言われるようなもんで、必死に考えて「それは無しだろ・・・」とがっくりする事がある。

人間が他の動物よりも賢いのは、問題構造自体を変えれること
与えられた選択肢の中から選ぶだけでなく、与えられた選択肢自体を広げようとする思考ができること。例えば卑近な例では「一回だけ望みをかなえてあげる」と言われて「何回でも望みをかなえて欲しい」と答えるようなもんで、これがアリだったらドラゴンボールは話が進まないがw もちろんいつも問題構造を変えれる訳でもないし、変えようとしても変えれない時の方が断然多いんだけど。

そもそも「なぞなぞ」は、暗黙的な問題構造を壊すのを覚えるのには都合がいいんだけど、たくさんこなせば頭が良くなるかといわれたら、かなり疑問な気もする。例えば、有名なスフィンクスのなぞなぞも、「杖は足なのか?」とか「朝、昼、夜を幼年時、青年時、老年時」とイコールでいいのか?とかグルーピングを通常以上に大きくとってる。それはセーフな時もあるけど、無意味な時の方が多い。

問題自体を疑ってみるというのは凄く大事な態度だが、まずは正攻法で解こうとするのが必須であって、最初から裏道を探す態度はあんまり良くない。じゃあ「正攻法で解くにはどうすればいいか?」なんだけど、

とことん考える事
それしかないんだよね。まずはその距離を走破できることが必須であって、その後でタイムを縮めるしか方法はない。そんなのは当然なのに、数十分考えて投げ出す人が多いと思う。一日本気で解こうとする人はどれだけいるのかな? すぐに考えるのを投げ出す人ほど、「あいつは頭がいいんだ。俺は親も○○○」とか言い訳を持ち出すからなぁ。まぁその態度は至極当然な面もあるけど、そこでクヨクヨ言ってもしょうがないからね。まずは最初の1歩です。


だから、皆さんが取り組みやすいような問題を。

まずは誰でも知ってマッチ棒の問題。答えを書くほどでもないでしょう。

次は一筆書きの問題。会社の新人教育でも出題されたけど、最近は誰でも知ってるんじゃないかな。この問題は暗黙的な四角形を壊すのが回答になるから、問題としては良質だと思う。

で、こちら ここら辺からうさん臭くなるんだよね。まあ中学生の時に「点の面積はゼロです」と習って、「虫眼鏡で見れば面積あるじゃねーかよ」と思った人は正しい。そういう素朴な反発はそれなりに大事だと思う。ただ、点に面積が無いとか、線に幅が無いとかはルールだから。別に赤信号みたいに守る必要もないルールだから、「そう考えた方が効率がいい時がある」っていうだけなんだけど。この問題自体はそんなに価値を認めてないので回答はこちら

で、こちら ここら辺になってくるとかなりうん臭い。問題見た時点で、ありえないって分かるからねぇ。この問題を解く発想法が必要になる場面なんて、殆ど無い気もする。だから回答もこちら 会社の新人教育の時もここまで出題されていたけど、1/3ぐらいはもともと答えを知ってた。ネタ足りないぞw それに何を教えたかったのかが不明確だったような・・・問題構造の壊し方は色々あるけど、ぶっ壊してもあまり意味が無いって言わないとねぇ。

頭の体操には「マッチ棒4本で田の字を作ってください」という問題があった。誰がどうみても田の字を作るにはマッチが6本いるから、この問題自体がうさんくさい。マッチ棒問題は前提として、マッチを折ったりしてはいけないしね。だから、すぐに「アホらし」と思って答えを見た気がする。答えとしては、前提を壊してないけどせこいと言えばかなりせこい。さっきの一筆書きの3本で書くとか1本で書くぐらいのせこさがある。答えは載せないけどw

で、こちらが本当の問題です。だから直接UP

もう10年以上、色々とマッチ棒問題は見てきたけど(どれくらいやん)、これが世界で一番難しいマッチ棒問題と断言しておきますw

何より12本も使っているし、どんどん形を変化させていくのもCool
そんな意味ではこの問題は他で見たこと無いから、頭の体操はいい本だね。

この問題は正攻法で本気で考えたんだよね。どれ位時間がかかったかは忘れた。中学1,2年の頃かな。3日(一週間かな)ぐらいかかったかも。で、解いた次の日に学校の部活の友達に出してみたんだよね。もちろんその場で考えても分かるハズもなく、皆が断念した。けど、3日後(一週間かな)ぐらいして、友達の1人が「解けたよ」って言ってきた。こちらは出した事を忘れていたからびっくりしたし、彼がトコトン考えていたのにもっとびっくりした。その彼はうちの中学で一番成績が良くて、東海高校に特待生で合格して、最終的には東大に行ってた。知識の量も半端じゃなくて、あの時に「唾液をバケツ一杯飲んだらエイズが移る」とか知ってたw 読んだ本の量でも成績でも及ばなくて、こいつにはかなわんと思ってたけど、

やっぱり頭がいいとかでなく、解けるまで考えるガッツの方が大事なんだなぁ
しみじみ思った。

大学時代に実験結果待ちで暇な時、ひょんな事からマッチ棒問題の話になって、皆にこの問題を出してみた。「世界で一番難しい」「これを解けた唯一の友達は東大に行った」って。そしたら皆気合入って、結局3時間ぐらいで解けたような。やっぱり受験勉強をくぐって大学生になってると、スピードアップできてるのかもね。


ということで、この問題を見たことある方には大変申し訳ありませんが、見たこと無い人はやってみると面白いかもよ。ひょっとしたら10分で解けるかもしれないし、一週間かかるかもしれない。一ヶ月かかるかもしれない。けど、最初に速度を気にするからメゲルのであって、まずは距離を走破したかどうかだから。

俺っちがあの時何日で解いて、彼が何日で解いたかは覚えてない。一週間以内だった気もするけど、実は一ヶ月だったかもしれない。けど、時間で競ってもしょうがないからね。大事なのは答えが見つかるまで考え抜く事だから。覚えているのは、他の皆がすぐに断念したこと。彼は解けるまで考え抜いた事。そのガッツに驚いたこと。それだけだから。

ここまで読んで、解けるまで考えると決心した人は心配してない。いつかは解けるから。それが一年後であっても、それは関係ない。けど、「俺には縁が無いよ」と思った人には、もう一度、考え直して欲しいです。
解けたら絶対に達成感があるよ。今まで味わった事の無い爽快感って欲しくない?
マッチ棒問題だけど、世界で一番難しい。周囲に出してみたくなるんじゃないかな。「この問題は世界で一番難しいマッチ棒問題だ」ってw (もっと難しい問題を知ってる人はぜひぜひ教えてください)そうやって楽しさを見つけていくのが、本当の人生だと思ってます。


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