P2S2R&B的勉強方法 ver5

ノートの作りこみ
[2005/03]

中学3年生に対する家庭教師ってのは5教科を任せられる事が多いけど、全てを等速度に教える訳じゃない。教科ごとのメリハリが必要だから。一番最初に教えるのは数学です。覚える事が一番少ないから点数が上がりやすい。もちろん記憶力が一番必要ない教科だから、その分だけ頭の回転の良さを問われる面があるんだけど。全ての公式を金づちやドライバー等の道具レベルまで理解できれば、後はパズル問題と変わらない。公式を丸暗記するのが一番ダメで、前回みたいに自ら公式を説明できるレベルにまで持っていけば、数学の点は80点までは上がる。それ以上は、テスト本番での頭の回転で差が出るから目標にしない。

次に潰すのは社会です。そして数学と社会が出来るようになれば理科は普通に出来るようになる。大雑把に言って理科は数学の思考力と社会の記憶力を半々ずつ使うから。国語は純粋に読んだ本の量で決まる。古文とかは教えても意味があるけど、俺っちは古文では平均以上の教え方は出来ないなぁ。国語のテストで「いかに消去法を使うか」をマスターするのは効果ある。文章に関しては、上手く興味を持たせて、歴史の本を読んでもらって、社会と国語の一挙両得を狙う事が多いかな。

英語だけはパス(爆
そもそも自身で3を取った事がある教科だからねぇ。平均よりダメダメな教え方しか出来ないと思う。ただ、「ネイティブスピーカの単語力」は結構いいかもね。シリーズの後の方だと落ちるが、一冊目はかなりいい。なぜhave 過去分詞という形式で、haveという動詞を使うのか? それを一番Coolに説明してる。結構、感動したなぁ。これを中学時代に聞けてれば、もうちょっと成績良くなったのになぁ。実際は問題アリの英語教師だったし、教科の好き嫌いって教師の良し悪しで決まる面はあるよね。(ちなみ著者の大西さんはNHKで自分の番組をもつまでメジャーになりました)


社会なんてのは社会的なことに興味を持ち始めた年頃から教えればいい。社会的な事に興味を持つのは人によって差があるし、それを一律にしなくていいと思うんだけどね。歴史も地理も教科書には資料集がついてくるけど、あれを全部読むなら80点は越すんだけどね。忘れて当然なのだから、資料集まで読めば教科書のことは頭に残ってる。英語とかはいい文章を何度も繰り返して丸ごと覚えるのが王道だが、社会では薦めない。それよりはどんどん忘れてもいいから、広くレンジを取った方がいい。

進学校に受かった人でも大学受験が上手く行く訳じゃない。中学の勉強はついていけたけど、高校の勉強でついていけなくなる人はいる。その差が昔は謎だったけど、家庭教師をやっている時に分った。その彼はなかなかの成績だったのだけど、行きたい進学校に後1歩足らなくて、11月の終わり頃から家庭教師を雇う事にした。で、担当することになったんだけど。

最初に数学をチェックしたけど、基本的な事は理解してたし、そこそこ点数も良かった。けど、それ以上に点数を上げようと思ったら、塾レベルじゃダメなんだよね。本当に数学的能力を伸ばそうと思ったら、難しい問題を延々考える方がいい。そこそこの問題で量をこなしても絶対に伸びない。それが数学なんだよね。灘とか開成とかの問題を一週間で1題。それが一番伸びる。もし解けなかったら、ヒントを一つ言って翌週に繰越。絶対に答えは教えない。あくまで本人に最後まで考えさせる。解けるようになったら、その時間を短くしていく。それしか方法は無いと思う。

で、社会を見たんだけど、塾でやってる勉強方法が、膨大な過去問を解きながら覚えるだったんだよね。塾なら膨大なストックがあるだろうし、本番でも近い問題が出るだろうし、効率は悪くない。中学時代の社会なら一番テストで点が上がる方法だと思う。けど、それじゃ大学受験は無理なんだよね。いくら問題を解いても、それでカバーできる範囲じゃなくなるから。

教科書に線を引いて、色つき下敷きで隠しながら覚える人は多い。けど、それは絶対に薦めない。社会みたいに覚える教科は、いかにノートを作りこめるかだと思う。書いて覚えるのが王道であって、線を引っ張るなんてのはやっぱり横着よ。

今でも新人の受講生に、「昨日は深夜まで教科書みながら勉強してました」って言われると、「どうせ途中でウトウト寝てただろw」って答えます。「線を引いて何度も見た」って言われても確認できないしね。勉強で一番困るのは、本人が勉強した気になってること。それをいかに諭すかが腕の見せ所。だから、「とにかくノートを作れ」って言います。もちろん学校の先生の板書を写したモノはダメ。自分の言葉で書いてないから。自分の言葉で書かないと、外に出た脳のレベルまで行かない。

教科書一ページを自分なりに要約して数行にまとめる。それをテスト範囲全部やる。その後に過去問をやって間違った所を、ノートに追加していく。そうやってノートを作り上げて、やっと社会は点が出る。別に誰かに言われた訳じゃないけど、自分の言葉で教科書を要約したノートを作る事。俺は寝っころがって教科書見ながら覚えれる兄貴とは違うから、自分で勉強方法から試行錯誤していかなくちゃいけないのは分ってた。大体、一回のテスト範囲でルーズリーフ5枚程度かな。作りこんだら、ホントに自分の脳味噌を移植したような感覚になった。テスト直前に必死こいて教科書めくるのは余り薦めない。その瞬間に覚えた分だけ、以前に覚えた内容を忘れると思うから。それより作ったノートをざっと見直す方がよっぽどいい。

こうやって要約させると、国語の点もそこそこ伸びるしね。もちろん最初の数ヶ月は「このノートの書き方は○○が悪い」って言うけど、3ヶ月ぐらい経てば、そこそこのノートを作ってくるようになる。そしたら教科書に書いてない社会の楽しい話をすればいい。なるべく今の話題と結びつけながら、地理や歴史を気楽に喋る。そこまで行くと、結構楽なんだよね。なるべく本人が新聞を読むように持って行く。中学から新聞を読んでれば、大学受験の小論もなんとかなるしね。そこら辺まで手を打っておくのが大切です。

その彼は数学は一応解けるようになった。テスト時間を大幅にオーバしてたけど、「難しい数学の問題でも時間をかけて考えれば解ける」っていう自信を持てたから、心配してなかった。社会のノートについても「中学レベルの社会なら、例題を解きまくる方が効率はいい」って素直に認めた分だけ、彼も素直に高校以降はその方法じゃダメだって分ってくれた。ノートの作り方だけ教えただけだけど、この先は自ら試行錯誤してくれると思ったしね。

そんななんなです。これで、5教科中4教科コメントした気になってますが、英語のいい勉強方法を知ってる人はぜひ教えてください。あと、音楽もかな。音楽は3しか見たことない気が。。  
[2005/11]

そういや最近、いい英語の文法の本(英文法解説)を見つけて、英文法の勉強が初めて楽しくなってる。以前にStudyコーナーで、
英語だけはパス(爆
そもそも自身で3を取った事がある教科だからねぇ。平均よりダメダメな教え方しか出来ないと思う。ただ、「ネイティブスピーカの単語力」は結構いいかもね。シリーズの後の方だと落ちるが、一冊目はかなりいい。なぜhave 過去分詞という形式で、haveという動詞を使うのか? それを一番Coolに説明してる。結構、感動したなぁ。これを中学時代に聞けてれば、もうちょっと成績良くなったのになぁ。
と書いたけど、高校生でこの本をやればかなり役立つと思うよ。何がいいって、きっちりと書いてあることかな。以前にこんなチャライ本を買ったけど、やっぱりそれでTOEICは攻略できない。人生ラクしようと思ってもなかなか上手く行かないもんっすよ。この英文法解説はかなり有名な本らしく、91年発売の第3版が2003年に21冊だからなぁ。これは凄いと思う。個人的には10刷越したらベストセラーかな(一回に何部刷ってるのか謎だから厳密な議論では無いけど、目安としてね)
何がいいって、しょっぱなに
 A horse is a friendly animal.
 Horses are frienadly animals.
 The horse ia a friendly animal.
の違いがちゃんと書いてあること。こんなの学校で習った事ないぞ(寝てただけかもしれんが)。この本で高校の授業をしてくれたら絶対に英語伸びてたのになぁ。10年以上経ってるけどなんか悔しいぞ。当然ながら、文法ってのはルールが先にくる訳じゃないから、(日常の運用が先) 厳密に法則化はできないけど、それを最大限やるのが学問の態度のはず。if not = unlessと昔習った気がするけど、ちゃんと両者の違いが書いてるしね。in case とifの違いについてはアメリカとイギリスで学者の意見が割れてるのも書いてある。やっぱりそれ位のレベルを書いてくれないと。「全部がルールです。覚えなさい」じゃ講師失格。それを「テストに出ますから」で押し切るなんてした日には問題外でしょう。この本は重箱の隅をつつくような細かさじゃないけど、違いがしっかり書いてあるのが良かったです。


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