Direction: ペルソナ作ってる男の子にお勧めのアルバム
    
       Sisqo "Unleash the Dragon"
[2001/11]

「自分は2面性」と規定する時点で、作ったのは確実だと思うけど、普通はそうとらないかな?

日本のテレビ番組に出るくらいのメジャー度数になった彼だが、もちろん悪キャラ・アホキャラではありません。なんでもテレビじゃ「このバンソコウは黒人男性の苦悩を表してる」とか言ったんだって?
馬鹿だなぁ、あんなアーティストをイジル事しか考えてない番組に出てもしょうがないのに。せっかくSisqoは日本を好きでいてくれたのにね。こんなコメントを彼から引きだすのは間違ってると思う。Sisqoがどんな男かなんてDru Hillの処女作から追っかけてる人は皆知ってるのにさ。それよりもSisqoの本質をえぐって欲しかったね。って本気で追っかけてない人が出来る訳ネーか。

K-ciを継ぐシャウターと言われる事もあるSisqoだが、根本的な所で違う。そりゃねーMaryJ.とSisqoが育ててる娘を見るだけで、こんなの当然じゃん。最近は、やっといい声の表情をするようになったK-ciだが、Sisqoは5Stepの時点で深みがあったもんなぁ。

ソロ2作目はパブリックイメージを強調しすぎてたと思う。本作での幅の広さがSisqoの本質なのにね。"So Sexual"を聴いて思う。これはタイトル的にはH系の曲だけど、本質は後悔じゃん。こおいう深さは本気で後悔を繰り返さないと生まれないものだから。

ペルソナを作るってのがどんな感覚なのかを説明するのは難しい。自分という概念は、普通は色々な出来事の積み重ねとして、小学校高学年から段々浮かび上がってくるものだと思う。例えば大切に育てていたペットの死とか、親友の転校とか。だけど、稀にその自然な積み重ねと正反対の人がいる。それは結局、周囲の急激な変化に対応する内面の反応として定式化できると思うけど。

誰だって、普通は10〜30%は作ってる。じゃないと疲れるもんね。素直に生きるには強さが必要だもん。けど、たまに50%以上作ってる人がいる。そんな彼らにとっては自分というのはある種の不自然さを免れないものになる。当然だけど、作らなくちゃいけないほどの悪状況が簡単に無くなる訳もなく、作っても全く上手く行かない事が多いのだが、極稀に上手く行く人がいる。そのパーセンテージは作った度数が高くなるほど稀になるだろうけど。

で、間違い無くSisqoは致命的に作ってる。80%は超してると思うな。そんな人を一発で見分ける方法を最近発見したけど、またデーター数が少な過ぎて普遍性があるのか分らない。けど、ペルソナを作っていると自覚していて、そこそこ上手く行ってる人がSisqoの歌に何を感じるのかはかなり興味があります。


この件については、やっと言葉が浮かんできた。普通の人が興味本位で見るぐらいなら、まだこの本を先に読んだ方が良い。
『感じない男(ちくま文庫)』
この本でも「この件はまったく触れてないじゃん」と思った人だけ、
見てみてもいいかもね


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