Direction: ブスな娘にお勧めのアルバム
    
    Kelly Price "Soul of a Woman"
[2001/11]

そもそもブスの前に「人が二人並べる位の横幅」が来ると思ってしまう彼女。実際、100kgは確実に超してると思っちゃう。友達にホイットニーのHeartBreak Hotelのビデオクリップを見せてたら、客演してた彼女の服装をみて、「1人だけデザインちゃうやん」といわれたからなぁ、、、まあ彼の言い分は良く分かるのだが、デザインは同じだぞ。

そもそもデビューアルバムのデビューシングルが"Friend of Mine"だもんなぁ。サビが「私の男が親友と去っていった」だもん、めちゃくちゃだよ。 それをこの声量でガンガン歌うのに唖然。ブリッジじゃWhy Whyとシャウトしまくるしね。

1番最初に小金を盗んだ奴は一生大泥棒になれない
誰が言ったか忘れましたが、確かにこれは歌手にも当てはまる。デビューシングルでここまでぶっとんだ歌を歌えるKelly Priceはホントただもんじゃない。それをきっちりR&BNo1に送り込むのだから文句無し。アルバムでも一曲目のインタルードを挟んで、しょっぱなに持ってくるもん。これを聴いた時点で、半分は逃げたくなると思う。実際周囲に貸しても「これは普段は聴けないよ」って言われる事は多かったしね。

結局さ、、、綺麗事だけ並べてもしょうがないし、美人・可愛い娘のコーナーであれだけ喋った以上、ここで逃げれる資格も無いので、今の自分が言えるだけの事を、ちゃんと言いたいと思いマス。


そりゃねー、中高生で人間性も糞も無いんだよ。《その人らしさ》なんてのは、数度の恋愛とか、何かに一生懸命頑張った果てに生まれるものであって、生まれた頃から有る訳じゃないよ。生まれた時にあるのは、顔と身体の作りと、ある程度の得意不得意くらいのもんだって。そりゃ、ぶっとんだ家庭状況というのも存在するけど、それが直ぐ魅力に出来るなら、世の中の青少年の問題の99%は無くなると思うな。そしたら結局、相違点なんて「スポーツが出来る」や「可愛い、カッコイイ」位しかないって。それが現実だと思いマス。

だから勝負時は人それぞれと思う。だってなぁ、、二人で食事しても、「あらためて見て、可愛いなァ」と思うときはあるだろうし、結局、恋愛はどれだけ魅力を再認識させれるかに尽きるような気もする。その点で、普通にしてりゃ魅力が出るというのは、確かにセコイ。けどなぁ、、それを否定したら、最終的には人間の美的感覚の否定になっちゃうもんなぁ、、だからこんな面で突き詰めても何も出て来ないと思う。


セコイちゃーセコイけど、人間の大多数は「買ってでも苦労するのは出来ません」 だから、顔に恵まれていないという苦労を潜り抜けて周囲より魅力を持てるようになるのは、二十歳以降ぐらいじゃないかな。周りの男の子が美人ばっかり追いかけるガキだからといって、妻子持ちの年上男性ってのも、芸無いと思うしね。それ位なら、ガンガンにR&Bを聴く方が100倍マシです。その点で、やるならこのアルバムが1番。クリアーすぎて逃げたくなるとは思う。けどここで逃げたら、その先に光はないよ。人生にはそんなギリギリの選択肢があると思う。それだけKelly Priceは自身の全てを受けとめて表現してると思うから。Take Me to a Dream, Don't Say Goodbye,,,曲のタイトルで一目瞭然、そのまんま過ぎるほどにストレートに女性の気持ちを歌ってる。

って、もちろん「いつか分かってくれる人が現れる」なんて事は無いと思っちゃう。そんなに上手くこの世は出来てない。けど、「勝負時はやってくる」 それだけかな今の自分が言える事は。《顔の作り》と《表情》を区別できない男なんて、蹴飛ばしておけばいいって。世の中には、絶対に区別できる人はいます。それは信じていいよ。

Stevie Wonderが歌ったように、どうせいつかは全ての人は恋愛の前で平等になるから。それだけは自分の身分でも断言できるから。恋愛とか人生とかいうのは、最終的には平等だって。平等と認めれない人はいるだろうけど、「まあそれならそのスタンスで頑張って」って言う気分。そこまでネガティブに考える人を気にしちゃいられません。

という事で、あっちのAlicia Keysは「やるなぁ」位だけど、このアルバムは大多数が窒息する深さです。1オクターブは確実に低いね。ここで完璧に泳げるようになったら、それだけでもホント大したものだと思いマス。Kiss Testなんて、そうそう誰もがこれだけクリアーに出来ないよ。


《何も無い》というのは《何も無いがある》という事だし、《失う物が何も無い》という事だよ。これらは勇気の度合いで変わるだけだよ。そして事実の99%はそれで変わるよ。失う物を気にする事で負ける試合もあるよ。最低限のプライドは大切だけど、多すぎると害しかないから。確かに、道具である以上、歩いて東海道と、新幹線くらいの差があるとは思う。けど、道具は道具だよ。

Kelly Priceは「失う物が無いも無い」という地点で歌ってる。それまで長く裏方を務めてきたから、ポッとデビューしてHitしたアーティストが抱える恐怖感は微塵に無いしね。だからこそ、これだけのアルバムになったと思うな。

誠実に受けとめて、頑張っていれば、いつかやってくる勝負時で、ちゃんと成果が出せる。けど、そこで調子に乗ってしまうのが人なんだよなぁ、、、振り返ってもそう思うや。くれぐれもKelly Priceも自制してくれる事を祈ってます。


頑張ってこれくらいだなぁ、、、今の自分は。まだまだです。こんなの読むより彼女のアルバム聴く方が100倍マシです。調子よく美人コーナーは書いたけど、楽な物は楽という結論。

結局、このKelly PriceやMaryJ.やCaseに言える事は、彼女・彼が作った空間の隅々まで浸れるというだけなんだよなぁ、、、それは、本当は《紹介していいレベル》じゃないのだろう。いつか、もっとちゃんと伝えれる人が紹介するのを、自分も待ってます。
ブスについて真正面から取り上げた傑作本:「魅惑のブス」のレビューを書きました。こちら

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