Weddingを挟んで、初恋の対極にある曲

Isley meet Bacharach
《Love's (Still) The Answer》
11:Loves (Still) The Answerが最高じゃないかな。一番リズムが効いてる。出だしのTwenty Years agoというフレーズにどうしようもなく引っ張られる。テンポがあるのに哀しみに満ちていて、ロンのLoveへの総決算のような気がしてくる

このタイトルの (Still)に深い意味が込められていると思うのだが、今の自分はそこまで辿りつけてない。もっと聴きこまないとね。歌詞知りたいなぁ、ホント。
Curtis Mayfield
《the girl i find stays on my mind》
《let's not forget》
11:the girl find stays on my mindはあの頃から好きだった。とことんSlowだし、バックのピアノは綺麗だから。本作の歌詞カードはサビの部分が太字になってるけど、この曲だけは それが無い。これって結構大事なポイントなんだけど、あの頃はそんな事全く気にもならなかった。。もしかしたらこの曲が生涯を通して、Curtisの一 番の恋愛曲なのかもね。だから太字にしたくなかったのかもね。ふっとそんな気がした。

12:let's not forgetもいい曲です。このアルバムの評価がどうなっているのか、それは分らない。けど、11,12,13曲目の時点で、70年代のアルバムに負けない傑作だと思う。この3曲のみで買っていい。他人が作った曲としては4がMaxだが、本人作はここが重心だと思う。

あれから長い年月が流れないと、言えないことってある
Isleyなら、Love's (Still) The Answer だろう。Curtisはこの11,12なのかもね
[2006/03/26]

この2作の、この3曲には昔から引っ張られた。何かがあると思ってたから。けど、その何かを言葉に出来なくて、ずっと心に小骨がつっかえてる状態だった。いくら偉人といってもO'Jaysなど他の大御所の傑作には感じないんだよね。その理由も良く分らなくて。。だからStevieの新作には期待してた。Inner Visionsに連なる作品ならば、その何かを表現してくれると思ってたから。

けど、あのA Time 2 Loveは違う。もっともっと若いスタンス。オチャメな記号使ったタイトルの通りだから。その時点で半ば諦めてた。けど、聴き込むうちに3:Moon BlueはInner Visionsに近い場所にあると感じた。だから、バランスとる意味もあって、次の4:Form The Bottom of My Heartに繋がるのだろう。やっぱり4がアルバム最高曲でしょう。

Moon Blueが近い場所にあると分った時に、、この3曲と比べた時に、やっとこの言葉が浮かんできた。


人生の終わり頃に、恋愛の大問題がふっと解ける時期が来ると思ってる
それが子供が巣立った後なのか、定年後なのか、配偶者が死んだ後なのか、その時期は正確には分らない。もっと早く気づく人もいると思う。けど、どんな人であっても、そんな時期はやってくるんだと思う。

この3曲には、その答えを手にした後の曲だと思うんだよね。初恋から始まる恋愛の数直線には終端があると思ってる。それは「Weddingを挟んで初恋の対極にある曲」と表現するのが、一番しっくりくるから。もちろん結婚を絶対視している訳じゃないよ。ただ、真ん中という意味で持ってきただけなんだけど。

IsleyやCurtisを好きな人はゴマン以上にいると思うけど、僕と一緒にこの3曲に体を張ってくれる人がどれだけいるかは分らない。けど、やっぱりタイトルからも一目瞭然でしょう。Love's Still the Answerにthe girl i find stays on my mindに、let's not forgetなんだもん。

タイトルから想像するに、ロンはその女性と一緒にいる。だからstillなんだと思う。Curtisはその女性が側にいない。だから、findで気づくし、not forgetってお願いしてる。Curtisの全作を聴いた訳ではないけど、彼が彼自身の恋愛について真正面から歌っているのは、この二曲だけだと思ってる。ロンはEternalの《Eternal》でtrue loveというフレーズ、《If You Leave Me Now》でのDon't Goというフレーズでも同じレベルを召喚できてる。一般的な歌に込めれる所が、彼の安定度数を伝えてる。Curtisには無理だろうね。けど、ロンであっても個人的すぎるLove's (Still) The Answerを選ぶね。



@ 自分は誰を好きになるべきなのか?
A 自分は誰と人生を供に歩くべきなのか?


この二つが、本HPが想定する恋愛の大問題です。@の方は30歳までにはちゃんと分っていた方がいいと思う。もちろん、誰か一人に固定すべきとまでは思わない。けど、人はそんなに多くの人を本気で好きになれないと思う。本気で好きになれる異性のタイプというのは明確に存在すると思うな。と言っても、それを分ってない30歳以上の男女も多いんだけど。走るべき恋愛で走らないと、見返すべき恋愛で見返さないと、そういう人生になる。僕は18歳の心臓手術の後の療養生活で分った。もちろん、その地点に行くまでに「高校時代は調子にのってたなぁ」とか認めなくちゃいけなくて。今となっては当然だけど、あの当時の自己イメージの大半が嘘だと分ったから、それなりに苦しかった。(ちなみに走るってのは、別に不倫しろとか、相手に恋人いても付き合えとかじゃなくて、単に振られるって分っても告白しろなんだけど、それすらしたことない男が最近増えてる気がする。閻魔様に○○○○ちょん切られるコース行きなのにね)

けど、未だにAの方は分ってない。周囲で結婚してる人も多くなってきた歳だけど、結婚した人の全員がAを分っている訳ではない。分ってするのが結婚なら、この世に離婚はなくなるから(浮気がなくなるかは不明だ)。 けど、付き合う以上を選ぶ時点で、ある種の直感はあるんだろうね。その直感の正しさか。。
以前に結婚直前の先輩と話してた。

「最近どうなんですか?」
「今はあいつマリッジブルーだからさ。そっとしてる」


「アツアツの時はLattimoreとシャンテでも聴いてくれ」ってのはR&Bリスナー全員の同意だろうから、本HPが特に言う必要ない。

・マリッジブルーな時に聴きたいアルバム
・離婚しようか迷っている時に聴きたいアルバム

そんな時に、答えとまでは言わなくても、見詰めるべき所を見詰めれる勇気をくれるセレクト集を作りたいと思ってます。だから最低10曲ぐらいを集めなくちゃね。もし、この志向性に賛同してくれる人がいたら、推薦求めてます。

@とAの間の差が分っている人が、本当の幸せな人生を送れるのだろう。CurtisもIsleyもその道を歩んでいたのだろうか。その答えもこれらの曲に凝縮されていると思う。


「Weddingを挟んで初恋の対極にある曲」
と表現できた瞬間は滅茶苦茶嬉しかった。「俺はこの瞬間のために音楽を聴きこんでいるんだ。何よりも誰よりも、この瞬間が一番好きなんだ」っていう感覚。もっと分りやすくいえば、「女の子と付き合うよりいい」になるのかな。そんなんだから人生間違っている気もするんだけどね。恋愛ってさ、個人だけの問題じゃない訳じゃん。割れ鍋に綴じ蓋で、上手く行かない理由が別の相手だと上手く行く理由になったりする。だから、自分自身の問題じゃないと言い切っても、完全には嘘にならない。完全に嘘にならないことは、その欺瞞が表情に出てくるのに時間を必要とする。

そんな点に比べて、こっちの方は純粋に自分の心と表現力だけの問題だから。その閉じられた空間が良かったんだよね。
特に、自分独りだけがどうしようもなく引っ張られてしまって、周囲の誰にも伝わないどころか、口にした瞬間に嘲られるような状態。そこから「聴いても分んない奴はいい。分らないまま生きいけばいい」とまで思える状態。まるで観念の世界において、乞食から王様へイキナリ上がったような感覚。それ位の確信さをもたらしてくれる核の言葉を曲の奥から見つけた時、素直にこのために生きてると思える瞬間がある。

けど同時に、その卑屈と傲慢しかない極端さこそが、今の自分の結果になってる事を痛感してた。。だから、嬉しさと辛さが両方同時に襲ってきて、かなりの時間固まってた。それをこの形でないと書けない事にも嫌気がして、だから一ヶ月ほど書かなかったんだけど。

今から振り返ると、アルバムや歌手とばっかり向き合って、生身の相手と向き合うことから逃げてたのだろう。それが最近の結論です。


HOME