TOSHI
"Time To Share"
Soulが宿った体感?
[2004/10]

ずっと新作のタイトルを知らなかったので、店で手に取った瞬間は嬉しかったです。あの前作の次に来るタイトルだなぁ、、、って周り気にせず頷いちゃった。

あの作品が日本人ということで売れなかった時点で、Soulは降りてくると思うから

試聴したら、一曲目は思い通りの曲。その時点で、「この先は帰った後にゆっくり聴き込みたい」と思って、カウンターに持ってた。けど、何度も聴き込んでいるうちに、少しずつ混乱してきた。なんか、、塞がった空間なんだよね。あまり明るい未来を見せてない。そもそも、Time To Shareという言葉は、「自分自身に降りてきたSoulを皆と共有したい」という意味と、「Soul自体の門戸を開いて欲しい」という二つの意味だと思う。けど、このタイトルの曲が無い。7曲目はIt's Timeだが、核の言葉である"Share"という単語がない。曲自体もこの志向性を背負えるだけの曲になってないと思う。だから、この時点で「上を向いて歩こう」までは行けないだろうなぁ、、、って思ってしまった。前作はそれだけのレベルだけど、セールスは不十分だった。アメリカでも日本でも、もっとToshiは認められていいと思う。日本のファンもアメリカ作品はちゃんと聴いてない気がするから。Toshiは、自分の中ではイチローと同じ位の存在なのだから。

2:Living For Todayは本作で初めて手に入れた歌い方だと思う。言葉を細かく区切りながら歌う所がびっくりしたけど、慣れてくると結構ナイス。3:Breaking Throughは前作の後半で手に入れたレベルにカッコよさ入れた曲。駆け上がろうとする衝動に満ちていた前作の前半のUPも好きだったが、こちらの方がその先の地点なのだろう。4:Hold Me Downはホントにガツンと来た。今年の新作で見せたAngieの「そよ風に揺れる芝生」を一番引っ張り出してる。そんな意味ではAngieのデュエット曲の中で一番です。彼女がMaxまで寛いでるのが伝わってくる。

Mahogany Soulから新作まで歩いた距離の長さを生んだものが謎だったけど、この曲を聴いてるとToshiとのコラボレーションのおかげなんだなぁ、、、って感じた。Soulに対するToshiの接し方こそがAngieが納得できるものであって、D'Angeloのやり方はMad Issuesなのだろう。そこまで彼女が言い切れるようになったからこそ、あのアルバムが生まれた気がする。自分がD'Angeloに一番感じる違和感は、「彼は一番大事な事を見せてない」と思うから。それを端折って、真の共有はありえない。彼が幼年自体に体験した事。生まれ育った教会、その黒人世界における意義の変化、そこから見える将来に対する絶望。そんななんなが彼の奥底にあるのは感じるんだけどね。独りで答えを探しに行って、どんどん狭い場所にハマっている気がするから。それよりも、ナイーブであってもSoulを追っかけているToshiの方が地面に足がついてる。そういう意味では、どんな事であっても、全てにおいて悪い事も無いし、全てにおいてイイ事も無いって結論になるのかな。

今後ともToshiとAngieのコラボレーションは実り多い結果をもたらすだろう

なんだけど、この前半に比べて、後半がどうも輝かない。そして後半部分にアルバムの重心がある気がする。このジャケもそう。表ジャケは文句無しなのだが、裏ジャケは随分とやるせない顔してる。眉間の皺と伏目かな。そして、なんか6:Shadows of your loveが一番、現在のToshiに近い気がする。そして、この詞は英語でも日本語でもよく分からない。ただ、どうしようもなく行き場の無い恋愛だけが浮かんできて、あまり明るい気分にならない。

Shadows of your Loveの状態になってる女性に対する片想い
ってのが、一番ぴったりくるのだけど、、、親戚の中に必ず一人はいるような世話好きの叔母さんじゃないけど、「こんな恋愛は早く諦めて、結婚した方がいいんじゃない?」 って突っ込みたくなってくる。明るい面じゃない恋愛だとしても、別れた辛さとかなら、共有しやすい。けど、このフェーズは特殊だよ。この曲が重心のアルバムは、どれだけ本国の偉大な歌手でも売れないと思う。アルバムの最後もVOODOO Womanって、「VOODOOって単語を入れるのか」って思ってしまった。、

Shadows of your Loveと歌わざるを得ない状況が改善されない限り、次の光はやってこないのだろうな・・・
素直に書くと、これが結論です。


ということで、最終的にはShareの意味が良く分からないので、「?」をつけておきますね


[2004/10/10]

「スポーツ新聞を読んだら完全にオヤジ」というのは同意されるのかな? けどmosで飯待ってて暇だったのでたまたま読んだらなんと、久保田がソウル・トレインに出演するとのこと。今回の新作もアメリカの識者には評判いいんとの事。それは凄くおめでとう。この番組すげー見たいので、誰か録画して送ってくれないかなぁw その記事には「ソウルのサムライ」って書いてあった。こうやってスポーツ新聞にまで載るようになったんだから、Toshiの新作も広まるかな。

本国一作目を聴きました。やっぱりmy loveとoh honeyが彼の恋愛曲の中では一番だなぁ、、、って痛感してた。今が42歳だから、あのアルバムは95年発売だから32か。もうすぐ10年目なんだね。あの時の明るさは40過ぎても独り身の今では出せないのかもね。本作の後半部分を聴いていてそんな気がした。

「負け犬の遠吠え」を読んでいても思ったけど、あの本の作者に勧めれるBlack Musicってないんだよね。どんなにぶっとんだ状況でも絶対にシングルマザーなのがアフリカン・アメリカンの現状だと思うから。未婚で40過ぎた歌手って、、、自分は思い浮かばない。だから、shadows of your loveじゃなくて、そこら辺を突き詰めれば、同じ境遇の人を救える傑作になると思うよ。晩婚化が進展している昨今、そろそろそんなSoulの名曲を世界中が望んでいると思うから。もちろん急展開で結婚アルバムってのも大歓迎です。(こんな事を書いてるから、一向に広がらないHPの気もするが、これが僕の素直な気持ちです)
久保田が婚約発表したらしいですね。久保田ファンのお姉さんが「凄いショック」と教えてくれました。先日はもちろん急展開で結婚アルバムってのも大歓迎ですって書いたけど、びっくり。おめでとうございます。
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