Syleena Johnson
"Chapter3: The Flesh"
I'm Your Woman
[2006/01]

確か彼女の中で、Chapterは3までだったのかな?
「処女作がマスマーケット完全無視の作品で、そこから重ねる毎に聴き易い作品を届ける」というスタンスはKelly Priceと同じなのだが、Syleenaはそれをちゃんと達成しているのだろうか、と疑問になる。店で手に取って貰うためには、ジャケは結構大事なんだけどなぁ。このジャケはアウトでしょう。このポーズ自体が女性らしくない。別にハシタナイとかいう気もないけど、これまでの作品との差は大きい。この黄色っぽい?色合いもそう。これが一番ぶっ飛んでる作品というなら、すんなり納得するジャケなんだけどね。

ところが、中身はしっかり狙い通りになってます。ジャケだけ直せば10倍売れるんじゃないのかな。1:The Fleshは重めだけど、これぐらいはありでしょう。2:Hypnoticは売れ線狙いだけど、これを聴いても売れるのかどうかが分らない。そんな意味では、曲が売れるかどうかは2000年以降、分らなくなった気がする。ビルボードチャートを気にしなくなったし、Hip-Hopをパスしてる身としては、ラッパー連れてきた作品の良し悪しも分る訳がなく。。

そんな意味では彼女らしいオープニングは3:He Makes Me Sayから始まる気もする。いつにないUPで、確かに今までと違うことが分る。4:Special OccasionはそのまんまR Kelly作で、かなりナイス。2人のコンビは処女作の頃からだから、安定感がある。最近のR Kellyはこういう手触りの曲が凄く上手い。独壇場といってもいいんじゃないかな。個人的には01:the Fleshよりも、Fleshらしさを感じる。最後の締め方も微笑ましいしね。

一番いいのは間違いなく05:Moreでしょう。Anthony Hamiltonがデュエットしてる作品の中でも一番だと思う。曲自体の出来も高いけど、なんといってもSyleenaの声が信じられないレベル。一番の輝きはサビでのI'm your Womanです。このフレーズをこの表情で聴いて、凄く嬉しくなってきた。なんといっても、Syleenaを一言で表現したらI'm Your Womanなんだよね。それは処女作を聴き込んだ時から思ってた。02:I am Your Womanってそのまんまの曲があるから。

谷でも山でも同じ言葉が出てくるのなら、それは本人の核の言葉といえる
どんな心の状態でも支えになるからこそ、核の言葉なのだから。そういう意味では他の歌手と比べてもSyleenaが一番クリアーになってる。個人的にはこのI'm Your Womanには甘えの色を感じるな。いつもはざらついた声出すにね、なんか不思議というか可愛いというか。男性陣に言っておくけど、これはKiss Testと同じくらいの恋愛の山場です。ここでアドレナリン?でない奴は男じゃないです。個人的には猫にごろにゃんみたいな感じで、首下からホッペに手を・・・ しまった、書いてしまった。

ま、とりあえず、アホな想像はいいとして。この言葉に答える資格があるのは、谷のI'm Your Womanを受け留めた人だけです。あの何が怖いって、抑えてる所。抑えながらI'm Your Womanといってる所。なんていうのかな、失望・悲しみ・痛み・怒りが90の、好き・離れられないが100の、合計10という声なんだよね。だから、あの声自体はそこまで重くないのだけど、海面に浮かぶ氷山みたいなもので、海面下に体積の7割みたいな感覚があるから。

6:Bull's Eyeも明るいUPでお勧め。SlyeenaのUPには浮ついた感覚が無い。高い声を駆使してるけど、そこに透明感が出るのがいい。処女作のジャケはトーンが硬いから、こういう声が浮かぶようなジャケにして欲しかった。7:Classic Love SongはなぜClassicなのか謎だが、デュプリはでしゃばってなくていい。8:Phon Sexもタイトルの割りにイヤらしさがない。普通の歌手が歌ったら、もっとネチネチするからなぁ。

Moreを同じくらい傑作なのが、11:Still Openです。Still Openかぁ、なんか意味深というか、よくよく考えるとアーシーというか、こういう女性らしさこそが、普段アーシーを売りにしてない女性のアーシーさ。男に対する一番の見せ方を知ってる。I'm Your Womanよりも猫撫で感が無い。個人的にはこちらの方が好きだったりする。やっぱり男は最初はアホなんだから、まともな男は少しずつでも治していくのだから、女性はStill Openでいて欲しいという個人的な願望があるからかな。My Arm Still Openといいながら、8割腕、2割足にするそのアーシーさが凄いと思う。やっぱり男は相手に渡せるドキドキ感が尽きないようにする必要があるし、女性は期待感だと思うんだよね。そんな意味で、このStill Openは傑作だと思う。Syleenaは間違いなく、相手のいい面を引っ張り出せる期待感の持たせ方を知ってる

ということで、12,13,14とイイ曲が続く。個人的には処女作には並ばないが、2ndと同じレベルは確実に行ってるね。16:Outroの締めが彼女らしい。なんかSlyeenaだと羽目を外すことが多いが、MaryJ.やAngieやToniに比べて年上感が無いからかな。
[Weekly Comment 2005/09]

Syleenaの3作目は非常にいい。けど、このジャケがなぁ。なんでこれがFleshなのかさっぱり。。裏ジャケもイマイチだと思う。CD奥は裸で胸を手で隠してるから昔のJanetと同じノリかも。まるでマスマーケットにアピールしようとして道を見失ってるかのよう。けど、内容は信じられないほどいい。彼女の1stをR KellyのRと対比させれば、今回の作品は間違いなくChocolate Factoryと同じレベルになってる。マジモンびっくり。Chocolate Factoryはタイトルがディズニー映画みたいで、R Kellyと縁の無かった人でも気になるレベル。ジャケは プレゼントそのまんまだけど、ナイスだと思う。こちらのFleshというタイトルは悪くないけど、このジャケは色使いから間違ってる気がする。この表情も なぁ。これじゃあファン以外は試聴すらしないだろうに。今までジャケのレベルが高かっただけに凄く悔やまれる。ジャケさえ直せばR Kellyがあの作品でファン層を10倍にしたぐらいの結果になるのに。AnthonyHamiltonとのデュエット5:Moreが滅茶苦茶いい。声質 が似てる二人だからかな。R Kellyの作った4:Special Occasionもいいし、6:Bules-eyeも文句なし。11:Still Openも凄くいい。ここら辺を試聴すれば、オレッチの言いたい事が伝わると思うよ。ジャケを変えて曲順を少しいじれば、ファン層10倍になる作品なのに、残念です。


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