Samson
"Atmosphere"
ニヤリ爽やか
[2004/12/23]

俺っちの中で、Soul BombYASYAが誉めてるインディーアルバムは買うのは当然。本作は家の近くのすみやでも売ってた。この前、新宿のDisk Unionに行ったら、「今年最高のインディー作品」って宣伝してあった。確かに全9曲のアルバムだけど、かなり聴かせる内容になっている。声は程よくしゃがれていて、収録曲もなかなか。今年発売の作品って、Usherとか色々あったけど、例年よりも勢いが落ちてる気もする。このLatelyコーナーも今年は本作を入れて9作目。年に20作ぐらい新作を紹介したい身としては、不本意な結果になってる。そんな意味では、こうやってインディーでイイアルバムが発売されると嬉しいかぎり。P2S2H2としてはTashawn Kingもかなりプッシュだが、Samsonの方がイイ感じで大人のエロさがある。この表ジャケはゴツくて「元野球選手」みたいな面構えをしているが、裏ジャケはかなりいい。ほんとにいい。


エロさと爽やかさが見事に同居している
そんな《ニヤリ爽やか》。裏ジャケ笑顔ランキングでは堂々の2位間違いない。もちろん一位はRomeの処女作です。あの笑顔を越すのは10年は無理だと思う。それにあの作品はJust Once, Once More, Three Timesが納められているしね。その時点で傑作間違いなしです。あの名曲はちゃんとBodyセレクト集にピックアップしているが、やっぱりあの笑顔とセットだからこそより輝くと思う。そんな意味では、このSamsonのニヤリ爽やかな笑顔はナイス。けど、ずっと聴き込んでいたけどJust Once, Once More, Three Timesに並ぶだけの曲は無いと思ってしまった。それが凄く残念です。せっかくナイスな笑顔ができるのだから、そこら辺を突き詰めて名曲を生み出せば、間違いなくメジャー再発売の10年レベルの傑作になる。

新人として、チャートをのし上がっていけるだけのガツンとした曲は無いとも思ってしまうが、どの曲もかなり出来がいい。1:Atmosphereからイイ感じ。この表ジャケからは想像できないほどのナイスなバランスがある。オヤジがニヤリとしてら、それはかなりアウトだからなぁ。この二十歳代のニヤリさが、かなりナイス。中学生がこのアルバムにハマったら、ちょっと心配してしまうが、18歳以上なら聴き込んで得る物があると思うよ。ただ、二十歳前後に訴えかける曲が少ないので、作品自体が世代間のエアポケットに落ちている気もする。だから、メジャーで発売できなかったのかな。けど、25歳-30歳は絶対必要なアルバムなのは間違いない。

2:Take 5も同じテンションが持続している。バックコーラスの使い方も上手だしね。3:Sonner or Laterはデュエット作品。声の相性がかなりイイと思う。You will so beatutiful??と40秒からSamsonが歌い始めるが、この入り方がかなりいい。バックの音もかなり好きです。4:Talk to Meが一番強力曲になるのかな。個人的には一番気に入った。ただ、どれだけ誉めても、この裏ジャケを見ないとSamsonの良さは伝わらないと思う。

逆ウインク
片眉だけ持ち上げる、この動作は逆ウインクとでも言えばいいのかな。確か、ウインクはちゃんと訓練しないと出来ないハズ。普通は何歳ごろに訓練するのかな? オレッチは中学の頃にR&BのPV見ながら訓練してた記憶がw けど、日本人でこの逆ウインクが出来る人はあまり会ったことが無い。瞳が笑っていればかなりナイスなセックスアピールになること間違いない。やっぱり二人で飯食べてる間に、一度はしないとね。そしたら、その後の展開は保障される気もするぞ(ホントかよw 後、片口だけ持ち上げる笑顔もある。これはかなりニヤリ度数が高いから、あんまり多用をお勧めできない。逆ウインクと併用した日には、多分オーバーするだろうなぁ。この裏ジャケも口元は両側平等だしね。

6:Emergencyのタイトルの意味は歌詞が無いので分らないが、爽やかさが前面に来た曲です。8:Priorityも明るくてかなりナイス。なんていうのかな、チャートアクションは期待できないけど、イイ曲が多いアルバム。どの曲も彼らしさが詰まってる。これで+2曲ぐらい売れる曲が加われば、間違いなく傑作になるのだが。Make it Officilalという強力曲があったTashawn Kingにその点だけは負けてるなぁ。収録曲の良さでは本作のほうが上なんだが。このバランス感と絶妙感はナイスだが、もう少し振幅を広げると、思いがけない内面が見えてくると思うよ。トータルとしては傑作でも、チャートをあがれないのは残念なところ。「今年は、イイ新作が少なかったなぁ」と思う人にはお勧めです。
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