Maurice J.
"DEVOTED"
貴方はちゃんと「綺麗だね」って言えますか?
[2004/12/05]

今から手に入れるのは結構困難なアルバムだと思う。元々インディーで発売されているし。けど、今年のTshawn Kingと同じ、イヤそれ以上に傑作なのは間違いない。何といっても一番凄いのは、Marvin Gayeの傑作:I Want Youのパーフェクトカバー。ヤン吉さんに勧められて聴いたけど、最初は「ホントに本人歌っているのかぁ」と思ってました。それ位に違いが分らなかった。あのI Want Youと言いながら、曲のテンポ以上に疾走感があって、ベースは爽やかなのに奥に激しさも垣間見える。そして最終的に女性の方から追っかけてしまうような手触り。そんな面までポンポンカバー出来る訳無いのは当然。なのにこのMaurice J.は完全にそのラインまで達成してる。それが、最初に聴いた時にホント信じられなかったです。

Marvinはアンナさんとの色々な果てにあの曲の極地まで辿りついたけど、Maurice J.にはそんな面は無い。他の収録曲も凄く聴きやすいしね。声質的にも全体的な印象としても、KubotaのUS作品に近い。だから、あちらの作品が気に入った人は、本作も気に入ると思う。けど、I Want Youをどれだけ聴きこんでも、このレベルに行くのはかなり困難だと思う。オレッチは、女のことは横においておくと欲しいの間にステップが殆ど無かったから、その前の時点で失格の気もする。けど、そこに絶妙なステップがある人でもやっぱり無理だと思うな。そのレベルで達成できる話じゃないから。Maurice J.がこの歳で(20代前半だよね)ここまで出来るのは、性格や色んな環境や出来事が奇跡的に組み合わさったからだと思う。

それが不満で、だから聴き込む
そりゃそうでしょう。奇跡みたいな確率だけを頼っていたら、アーティストもリスナーも発展性がない。アーティストも何作も作り続けるには、ある種の方法論が必要なのだから。Kenny Lattimoreもそうだしね。最初は五里霧中だったけど、3作発表されていたからあそこまで行けた。処女作だけだったら確実に無理だったなぁ。リチャードソンやマクナイトは自分のネイティブに近いから、そういう苦労は無い。そんな点では本作だけしかないMaurice J.はかなり難しい。Marc Dorseyもそう。JaheimやTyreseは、背負ってるか顔の作りで得してる男じゃないと、ある線以上は聴きこめないモノがあるとは思う。だから、イイ男だと思っていても聴き込むことは勧めても、同じレベルまでは勧めない。けど、マクナイトやリチャードソンはラティモアやこのMaurice J.はMarc Doseyはちゃんと彼らのレベルに至るまでの道を示す必要があるんだよ。これからR&Bを聴き込む男の子の為に。それが同年代に聴きこんでいる男の義務だと思う。いつかネイティブがMaurice J.に近い人が、もっとイイものを書いてくれると思っているので、それまでの間オレッチが書くことにした。


I Want Youを聴きこんでも、あれだけ達成してるからこそ、そこまでに至る道はなかなか見えない。だから、それ以外の曲に目を向ける必要があると思う。6:I Want You以外にも傑作曲の多い本作だが、一番感銘を受けたのが5:So Beautifulです。これまでもこのサビをもつ曲は結構耳にした気がする。けど、この曲だけは別格です。何が違うのかをちゃんと言えませんが、気づいたらなんか連続リピートしてた。

あれ、俺って今までの人生で、ちゃんと「綺麗だね」って言ったことあったけ???
と自問自答しながら。そりゃ女の娘が髪型変えたり、着てきた服に気合が入ってたら、「似合ってるね」というのは当然でしょう。これをしないで恋愛を進めようとしても、かなり困難でしょう。ロールプレイングゲームで言えば、歩いてたら金塊が落ちてるようなもんで、拾わずにクリアは難しい。と、相も変わらず適当な喩えですが、それ位に必須事項なのは確か。けど、そんなレベルじゃなくて、ちゃんと女性に「綺麗だね」って言ったことって???うーん。。

そりゃ可愛い子に「可愛いね」なんて、「赤は英語で言うとredだね」位の意味しかない。言われる方も、マイナスじゃないけど「またか」位にしか思ってないよ。だから、やっぱり+0点でしょう。普通は「けど、横顔はもっと可愛いよね」とかアレンジするんだけど、個人的にはマイナスアレンジの方が相手の印象には残ると思う。「けど、横顔は○○だよね」とか言えば、それがHITだったら「やっぱり。。私も気にってるんだ」「イヤ、けどそんな気にする話じゃないよ。ごめんごめん」とまあ、こういうちょっと落として、次に上げるのは大事です。皆さんも、親密度がぐっと増した女の娘の顔が浮かんできたハズ(ホントかよ

というように、やろうと思えばやれるんだけど、いつもそう思ってたけど、あんまり実践してない人生だなぁ。なんでだろ、ストレートに言うには視線から口調から色々と鍛える必要があって、そちらの方を優先してたからか。もうちょっと軽めにR&Bにハマっていたら、迷わずこの路線だったが。

だから、これじゃあ何の魅力にも繋がらないです。ちょっと口が上手いぐらいでしょう。もっと、親・親戚以外からは「可愛い」と言われたことがなくて、クラス文集のランキング特集でも「可愛い子」に選ばれなかった女性に対して、ちゃんと「綺麗だね」って言えるかどうかが大事です。そりゃ就職活動が始まる時の、初めてのスーツ姿とかは、誉めるのが絶対に必要なポイントだからね。それ以外の

普段の何気ない生活の中の、何気ない場面で、どれだけこの台詞をさらっと言えるか
個人的には、「俺は顔の作りと表情は区別するべきだと思ってるよ」でここら辺だけは問題なく進んでたので、素直に言うと、ちゃんと出来ないです。こんなのは中谷彰宏氏の本とか、銀座のママが書いた本?とか、世の「イイ男になるため」の本には10箇条の中に絶対に入ってるぐらいの内容なんだけどね。ただ、本は雑多なジャンルをよく読んでいるが、本による知識は嫌いなんだよね。言葉はシュチュエーションで伝わる内容が大きく変わる。そもそも知ってれば誰でも言える。けど、絶妙な雰囲気を達成できれば、ホントは「可愛くないよね」でもいいんだよ。このMaurice J.が"Not Beautiful"って歌っていても、相手にはちゃんとした気持ちが伝わると思うから。だからこそ、結局は音楽だし、そしてBlack Musicになる。

大事なのは一般的に見て可愛いかどうかじゃなくて、男の方がそれぞれの女性が持ってる可愛さに気づいているかどうかだから。それを「一般的にはNot Beautifulかもしれないが」って歌うのはヒネリが効いてる分だけ難しい。けど、そこまで出来たらホントに偉大です。Maurice J.には次回作でその地点まで行って欲しかった。


今までにどれくらいSo Beautifulって歌ってる曲を聴いたのか、忘れた。丹念に歌詞を追えば、どんな歌手でも数回は歌っていると思う。けど、ここまで感じたのは本曲が初めてです。目指すはあのI Want Youのレベルだけど、そこに行くにはこのSo Beautifulが必須だと感じる。曲の収録順序もその通りだしね。俺っちが今書けるのはここまでです。その先が見えなくて、ずっと伸ばし伸ばしになっていたけど、とりあえず現時点でのものをUPすることにしました。



このレビューを見たら、本作を必死で探す男性は増えると思うが、多分、なかなか見つからないよ。俺っちも以前にSam'sレコードで見つけた時は凄く嬉しかったから。2001年の作品だが超重要作です。本はちゃんとこういうサイトがあって、俺もブルバキの本で一票入れたが、音楽でも必須でしょう。

確かにネットワークとPCの発展で負の面が噴出しているが、こうやってリスナーが勧め合うこと光が当たる作品があるのも確か。それに対応しようとしないで、目の前のモグラ叩きをやってしまうレーベルの気持ちも分らない事は無いんだが。え、オレッチが立ち上げる? R&Bにハマリ過ぎてるからちょっと失格。R&Bだけのを作っても意味無いしね。再発売に必要な注文枚数とかの調査や、音楽レーベルとの関係や、それぞれが+100円?した時の運営主体に入る適正利益見積もりと、そして埋もれたアルバムを買わせる気にさせるだけの文章か。とりあえず、オレッチが頑張ってるのは最後だけですが。


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