Joe
"better days"
「歌手としての達成感」&「本当に好きな相手は傍にいない」が両立している作品
[2001/12]

今回のジャケット写真から期待してました。「自身優先」で作ってくれるだろうと。処女作の不成功を引きずったのか、2作目と3作目はアルバム全体として「相手優先」の作品だから。そろそろこっちの方向性を向く必要はあると思ってた。じゃないと本当のファンはつかないもんなぁ。 中ジャケの写真も好感が持てるショットが多い。CD裏のギターをダッコしてる写真を1番気に入ったかな。口が大きいせいか?、ジャケットもビデオクリップもイヤらしい笑顔が多かったJoeだが、今回は素直な笑顔なのもポイント高い。

実はJoeの処女作は聴きました。けどコメントできません。あれに未来の大器を感じ取った松尾潔氏はすげーと思う。きっと何処かでウマが会うのかな? そんな意味においても、自身優先で、自分自身に素直にアルバムを作った時に、どんな彼が見えるのか凄い楽しみだったのですが、

あんた、素直そのまんまやん!
とツッコミ入れちゃいました。素直になればなるほど痛みを切り出し始めるR Kellyやどんどん乱暴になるマクナイトに比べるとイマイチな気もしちゃいますが、だからこそJoeなのかな? 本HPは御存知、R Kellyやマクナイトの様に素直に作った作品がぶっ飛んでるアーティストが好きなんですが、Joeのこのアルバムを聴いて、やっぱり彼は皆に勧めれるアーティストだと実感。もう超有名人になった彼だけど、こんなタイプの人がいるのは大事な事だと思いました。

もちろん、このアルバムから入るのはあまりお勧めできません。けど2作目から入って、3作目を気に入った人は本作も気に入ると思うよ。中盤微妙にだらける所があるけど、ポイントポイントで絞るから通して聴けるアルバムなのは間違い無い。個人的にはネプチューンズ作の4曲目がHit。おいおいと思うくらいの曲でネプチューンズのプロデュース幅も広がったと思いマス。アルバムの最初の部分がHIT性は無いが、素直な曲が並んでいてナイス。相変わらず子供の声はかなり嫌いな性質なので6曲目はパス。確かに11曲目は後半の中で1番いいと思う。この後の曲は持ち直してるしね。全体として前作よりも気に入りました。


ホントの事を言うと、Joeの個人的掘り下げ度数としては前作のTreat Her like a Ladyを超す曲は無いと思ってしまた。「自分に愛が必要なのかどうかわからなくて、ちょっと混乱しているんだ。見過ごしてしまっているのかもしれないし…。50歳になっても独りぼっちかもしれないな…」と哲章氏のニュース・コーナーにJoeのコメントとしてありました。けど、ごめんJoe、この感覚を曲から感じなかったよ。それが1番哀しいことかな。自分の掘り下げ度が低いのかもしれないけど、やっぱりまだ全部出してないよね。もっと全部見せて欲しいな。もう大丈夫だよ。それだけのアーティストになったじゃん。

見過ごしてしまっているのかもしれないし…

こう言う人はいい奴だと思う。《いい女性が周囲にいない》というよりも、《見過ごしてしまっているかもしれない》っていうスタンスの方が好きです。
という事で、P2S2R&Bとしては実はこのコメントが1番HITでした。今からこの部分をアルバムの中に探しに行ってきまーす。見つかったら追加しますね。
ということでジャケットのコメント
  
[2002/02]

最近思うのだが、レーベル社長にとってJoeほど信頼のおけるアーティスト・プロデューサーもいないと思う。R Kellyの様にぶっ飛んだ作品を作ることもなければ、売れない作品を作ることもない。他人をプロデュースしたらナイスな曲を作るし、その時、女性問題が発覚する事も無い(笑

けどね、そんな役が自身に求められているのを痛感して、その役をパーフェクトにこなしてしまうのがJoeのどうしようもなさの様な気がする。内面性の作品がこのレベルなら、社長は大満足の、俺っちは不満ってな気分だなぁw そりゃR KellyのR.までとは思わないが、「こっちが怖くなる瞬間が無い」と思っちゃう。

この作品であってもまだJoeは怖がっている気がする。処女作が激しくこけたのはマクナイトも同じだが、マクナイトは「同じタイプの男性は確実に支持する」という自信があると思う。そんな支えの無いJoeの寂しさか。一緒に仕事をする事も最近はあるが、結構内心ライバルだと思うぞ。上手く両者が好影響を与えてくれるといいのだが。


彼はホントにいい奴だから、ぶっ飛んだ浪費グセの女性に本人も訳が分らず惚れてしまって、向こうから押し切られて結婚して、その後は彼女の代わりに子育てをして、家事をして、そしてイイ曲も作る。泣き叫ぶ赤ん坊を白いたすきでオブって、鼻水たらした上の子には飴であやしてて、そんな家事の合間に曲のヒントが閃くJoe。

彼にはそんな人生が似合ってるなぁ。え、あんたは相変わらず滅茶苦茶言ってる? いやーこれがホントなんだよ。それ位にいい奴なんだよ。そしたらドンドンとイイ曲作ると思う。そして世のそんなタイプの男性の支えになれると思うから。「あんたなんて私に尻に引かれてればいいのよ」って3回言われたら、「そうかもなぁ」って言っちゃうタイプのような気が、、、彼の全作品を聴くほどに見えてくる。

だってねーAloneって曲をこのフェーズで歌うんだぜ。自身のAloneさに泣き叫んでいる訳でも無ければ、冷徹に見ている訳でもない。様は受け入れてるのだ。「俺はAloneなんだー」って言いたがるタイプや、「ここまで何が間違っていたのだろう」と考え込んでしまうタイプとも違う。素直なんだよね。色んな事に対して。

それを苦悩とも糧とも受け取らず、一つずつイイ曲を作る
だから嫌いじゃないよ。Joeの事。くれぐれも誤解しないでください。ただ自分とタイプは違ってて、「これは死んでも出来ない」と素直に思う。尊敬してるかというと、こんなスタンスはどれだけ頑張っても自分に不可能だから、尊敬してます。マクナイトの新作(Superhero)は滅多に聴かない。けど、このアルバムはたまに聴く。マクナイトの新作はあそこから数曲抜きだして、自作Bestを作るだけだもんなぁ。

たまにフッと色々混線する時がある。けど、それを解決するのがホントに大変な事は分ってて、今はその時期じゃない事も分る。今日はやり過ごさなくちゃ行けない。本当に立ち向かう時期が来るまで待たなくちゃいけない。蓋をする訳でなく、掘り下げる訳でなく、今日はそっと置いておくのが必要なのだ。

こんな日に流すアルバムとしては最高です。そんな意味では色々教えられてます。昔はどれだけ時期が満ちてなくても、泥沼に自分から突っ込んでいって破綻してた。わめくほどに手足が取れられるのを分ってるのにね。そんなスタンスしかなかったけど、このアルバムを追っかけると彼のスタンスが分る。彼は蓋をしてない。見詰め切ってもないけどね。けど、極端主義者だった自分は色々教えられてます。って、実はこれが当然だったのか? と最近気付いてるなぁ。

彼はこの先も大事な場面で少しヘマをやってしまって、いつもこんな状態なのだろう。完全な絶望も完全な希望もやってこない中で、一つづつ曲を作っていくと思う。と相変わらず酷いことを言ってますが、全てにおいて器用ってのは究極の不器用だよ。Joeにはそれが見え隠れする。才能があるからなぁ。声の独自性以外は、歌手としてもソングライターとしても顔としても悪くない。分厚い唇のエロエロさもワンポイントとしてナイス。だもんなぁ、、、

様するに、「私がいなくちゃ彼は駄目になる」と女性に思わせなくちゃ駄目だって。そんな不器用さは必要じゃない?この人のよさは、女性から見ると常にKeepしておきたい避難港って感覚じゃないかと思います。(って男なのに適当言うのがP2S2R&Bですw)

バカだなーと思いマス。バカをやれる余裕があるときにバカをやれない男は、そう思っちゃいます。もっともっとバカやっていいのにね。あーあ隠し子が各大陸に1人ずついるとかなら見直すんだが(とアホこいてますw)

ホントに、Joeは同性が心配してしまうタイプだなぁ。私はR KellyやマクナイトやK-ciよりも、実はJoeのこの先を1番気になってるや。一番女性側に立ってるのに、一番幸せから遠い気がしてしまう彼だからこそ。マクナイトやR Kellyは女性を有無を言わせず引っ張れるから大丈夫なのだが・・・
アルバム点数はこちら
[2009/07]

久しぶりにJoeの作品を聴き直していて、やっとこのアルバムの一言コメントを治す気になった。「歌手としての達成感」&「本当に好きな相手は傍にいない」が両立している作品だからね。恋人もいない状態で、このアルバムがハマルような状況の人に対して「今までお疲れ様。これからは、本当に好きな人と付き合えるために、ひとつずつ自分自身を治していこうよ」と語りかけてくれるような作品です。
恋人と一緒に聴くのもお勧めだけど、本作の本当の価値はこんな状況でこそ伝わると思います。


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