百人一首・業
[2003/08/23]

実は百人一首はそこそこ憶えてます。正月はかるた取りをする慣習だったので。あの頃は言ってる意味も分からず憶えていたけど、思い出してみると随分とあっぴろけに歌っていると思う。「筑波ねの 峰よりおつるみなの川 割れても末に 合わんとぞ思う」(細部には自信ないです)とか、あんた、そのままやん!!と突っ込みたくなるからなぁ。
一番スキなのは「君が為 惜しからざりし 命さえ 長くもがなと 想いけるかな」です。MaryJ.のUltimate Relationshipぐらいに朝を切り取っていると思うから。女性からこれを言われたら、一生側にいるのが正しい男というものでしょう。

やっぱり日本語が5 7 5 7 7のリズムが合うのは納得するしネ。こんな想いのストレートさは一般的な日本人論には合わないと思う。けど昔から歌の世界はストレートが基本だったのなら、それは温故知新でもいいんじゃないかな。R&Bに惹かれてる中には、やっぱり歌詞のストレートさもあるから。

そういや、中学の週一回のクラブ活動では百人一首クラブでした。唯一勝てない女性がいて、いつも学校で二番だったなぁ。だから成人式で彼女が茶パツ・ガン黒になってて、ちょっとショックだった。あんまり百人一首をできると言う人には男も女も会わないのだけど、以前の飲み会で1人会ったんだよね。その人は紅茶もスキらしく、F&Mで通じたから、結構楽しく会話してた。

その人も新人で勤務地が発表になった時で、別の会社に就職した大学時代からの彼氏もちょうど勤務地発表だったらしい。で、二人はどんぴしゃで同じ場所で働くことになったとのこと。「俺達、運命だよ」って彼氏が言ってると聞いた時は、男特有の単純アホさ加減に同性ながら苦笑してしまった。向こうがため息つくから、「いやいや男なら誰でもそう言うよ」って答えてたら、「ああ、この人と結婚するのか・・・って思ってね」 「え、不満でもあるの?」 「いえ、、業が深いなぁって思って」 その時、久々に業(ごう)という言葉を口から聞いた。ありそうでなかなか言われない言葉だから。「え、業って思ったの?」「うん、業って、、、百人一首スキなら分かるよね」「業かぁ、、、」 なんか眼が開かされた気分だったです。

なんで「地獄の業火」って言うのか分からない。そもそも「業」という言葉がイイ意味なのか悪い意味なのかも分からない。けど、どうしようもなさが詰まっていて、なんかスキなんだよネ。そんな意味では、R&Bでドロドロの歌を聴くたびに、業の深さを思う。彼らアーティストは人より大きな業を背負ってるとは、なんとなく思う。

ということで、今からでも百人一首を詠んでみてはどうでしょう。結構、目が開かされると思うよ。


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