Tommy Sims

  94 Tommy Sims "peace and love"
(2001年)
<A rank>
・Love's Patience [S]
・When You Go [MU]
・Which way(part one,two) [S]
・Summer [SM]
・It Don't Matter to the Sun [S]
・The Way it used to be [S]
・Write On This Way [S]
・A New Jam [MU]

<B rank>
・State of the World [MU]
・Livin' in A world [S]

<C rank>
[2002/09]

ソングライティングの才能は疑うべくも無いのに、立ち回りの下手さ加減か、裏方にいるTommy Sims。「"Change the World"の作者」という肩書きなんかよりも、このアルバムの方がよっぽどいいと思う。あの曲を好きな人はぜひとも買って下さい。

When You Goは何処に出しても恥ずかしく無い曲です。Summerはスティービーワンダーがハーモニカを吹く寛いだ曲。Write on this wayから少しずつ彼の世界が始ると思う。もちろんイントロとアウトロのWhich Wayに明確に出ているのだけど。

それにしても、彼のビデオクリップは想像できない。それ位に「見せ方」が下手だと思う。そこを「いい」と思うかどうかかな? 個人的には曲だけで魅せるのは全然有りだと思うんだけどね。全員がビデオクリップではしゃがなくてもさ。

彼の曲にはそれだけのものが詰まってると思うから。The Way,,,もかなりいい。たとえ相手が忙しい男であっても、いつかこう言ってくれるなら待ったかいがあるというもの。やっぱり仕事に生きる時も必要なのだと思う。もちろんその後で、Comin' Homeと繋がるからなぁ。家庭を持ったら、毎日この歌を鼻歌しながらお家に帰りたいもんです、ハイ。そんな意味でも流れのあるアルバム構成です。

It Don't Matter,,,は彼にしか歌えない地平線。光が照らさなくても音楽を愛しつづけるという宣言だと思う。表現は恋愛のフェーズにしているけれど。それは次ぎのLove's Patienceでも感じる。彼は<怒っている>事に<怒っている>のだと。「別にわざわざフェーズを変える必要は無いじゃん」という人はクリティカルな痛みを抱えた事が無いのだろう。この世にはフェーズを変えなくちゃ出せない感情がある。

9分の曲なんて、作るのさえ難しいと思う。何より4分のフォーマットはこっちの耳も支配して、それを打ち砕く構成・展開にしない事には飽きられて聴いてさえも貰えない。
この曲では、バックの音と彼がお互い同士で怒っているように感じる。音は冷静に怒り、彼は自身の真摯さをもって、甘えるように怒ってるのが印象的。Simsに足らなかったのは、音楽以外の才能というのが、素直な事実だと。これは余りに無残であるけれど、それしか、今の自分は言えない。


Tommy Simsの求道は続く、、、と思う。




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