120 the O'Jays   "For the Love..."
(2001年)
<A rank>

・Sounds Like Me [S]
・I'm Ready Now[S]
・Come Over to My Love [S]
・Put Out the Fire [S]
・Don't Break My Heart [S]
・Spanish Rose [M]
・Latin Lover [M]
・Let's Ride [MU]
・Long Distance Lover [S]
・I Don't Know [SM]
・Searching for the love,,,[SM]
・Making Love [S]
[2002/01]

さすが一時代を築いただけの事はある。信じられないレベルの声してます。何がどう凄いのか上手く言えないけど、とにかく凄い。言えない位に凄いとしておいて下さい。そんな誉め方は糞だと日頃から思ってますが、このアルバムだけはしょうがない。そりゃ24歳が語れる訳ないっすよ、と開き直ってます。。

自分が分るのは「これを聞きつづければナイス・ミドルになれる」って感覚だけ。「オイオイ、今からナイスミドル目指してどうすんだい」と突っ込まれそうだが、道ってのは早めに方向修正した方がいいに決まってます。そりゃねー、20年後に90度に曲がったりとか、実は180度転回しなくちゃ駄目みたいな話なら目も当てれないもんね。この時期なら5度程度だよ。そりゃ、一年で見れば5度の差なんて僅かだけど、20年なら全然違う。方向性の示唆ってのはそれだけの価値があります。

問題は若いうちに人生の深い部分に感動出来る程、世の中甘くないって事だけど、R&Bに関しては年季があるもんw 分野がクラシックだったら絶対駄目なのはもちろんだが、R&Bなら声の表情で分る。どんな感情を詰め込んでいるのか。で、このアルバムは凄いです。
うーんと、それでも頑張ると、、、30歳までが伝える感情じゃないんだよね。それだけはよく分る。特に悲しんでいる訳でも喜んでいる訳でもないから。って、これは言葉足らずだなぁ。うーんと、彼らからみると、俺の今の感情は飛んだり跳ねたりって事なのか!っていう驚愕。そりゃ若い人の恋愛ソングを聞いても、「本気で惚れた事のないI Love Youだなぁ」とかは思う時があるけど、今の自分の痛みもやっぱりその歳から見るとそんなものなのかと伝えられる。今の自分にはCarl Thomasの寂寥感までがダイレクトに伝わります。最近は二十歳以下の歌手の曲には妙に懐かしさを覚えちゃいます。ここら辺の感覚は高校野球を見てる感覚に近いが。

大御所の新作としても、Isleyの"Eternal"の方がまだ形が見える。こちらは形が見えない。「初っ端から惹かれてるのに、形は全く見えない」なんて、ホント久々の感覚。上手く言えないけど、初めて恋愛ソングに惹かれた中坊の頃の感覚に近い。あれから10年、色々浮かび上がってきて形になったけど、それを明確に切り出せるようになったけど、この歳になって自分のベース全体が動くとは思わなかった。純粋な感動。そんなのここ数年望んだ事さえないのにね。

I'm Ready Nowの出だしの"How Can I ,,,"にはかなり惹かれる。7曲目に1番感じるのだが、Seraching for the love I lostというタイトルから想像する心情風景と全く違う。けど、これが歳をとる事か! と妙に納得しているなぁ。

分らないくせに断言するのがP2S2H2です。このアルバムで1番いいのは11曲目のSounds Like Me。分らないなりに分る事ってあります。(とアホをこいてます) やっぱりタイトルから凄い。Sounds Like Me。こんなタイトルがありなのか!さすが大御所。3名とも生きてるからこそ生まれる価値。やっぱりコーラスが1番引っ張られるなぁ。

ボーナストラックのSpanish Roseが1番キャッチーだと思いマス。どれだけこの「これまで生きてきた経験値が詰まった大人の優しさ」のアルバムに親和性がなくても、この曲なら若い人もすぐに伝わると思う。



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