Kelly Price

  90 Kelly Price "Soul of a Woman"
(1998年)
<A rank>
・Kiss Test [S]
・You complete me [S]
Her [S]
・Load of All[S]
・Take Me to a Dream [SS]
・Friend of Mine [SM]
・Secret love[S]
・Don't Say Goodbye [S]
・Soul of a Woman [S]
<B rank>

<C rank>
[2001/11][2015/07]

イントロに続く2曲目のFriend of Mineから全開モードで吼えている。あくまでSlowなのに歌いっぷりで[M]を付けちゃう位に凄い。内容も文句無しにDeepだしね。これを気に入れば全曲OK、これが駄目なら全曲ダメでしょう。そのままの勢いでSecret Loveに続く。ほんと普段の日に流すのが想像できない傑作アルバム。けど自分はR&B-Timeで月1位は聴きこんでます。この作品には間違いなくSoulがあると感じるから。

Don't Say Goodbyeは歌詞カード無しで意味が取れる曲。それだけストレートに訴えかけているのには好感持てる。この曲の素直さがアルバムの親しみやすさを生んでいる。Kiss Testはその発想が好き。本気で惚れて、本気でエゴを抜けば、キスするだけで相手の本気度は分ると思うから。難しいのはエゴを抜く事だけど、恋愛を"勝ち負け"と思わなければ大丈夫じゃないかな。「相手も私の事好きなはず」とか思うと、コロっと騙されちゃうぞ。それを横に置く気概をもって、Kiss Testと歌う心意気の良さ。

このアルバムでプロデュースを手掛ける112のDaronはナイス。112のアルバムも好きだけど、このアルバムでより彼を認めた。特にKelly Priceの心情を汲み取ったプロデュースが秀逸。You Complete Meでは112で後ろに行きがちな彼の歌いっぷりが聴けて好きです。何よりもSearchin' Searchin'という歌詞がたまらない。

Herは淡々とした曲で一息つけます。だから、聴きにくいと思いこんでる人もちゃんと追っかけて欲しい。彼女なりの楽曲構成が見えてくると思うよ。はっきり言えば本作から逃げる男は一生モテナイと思う。女性の気持ちの汲み取り方を本作でしっかり勉強すべき。

Take me to a dreamはほんとベタな曲。「あんたそのまんまやん」とツッコミ入れたくなるが、彼女の歌世界の勝ちです。相手がこの曲を流してきたらホント勝負時だねぇ。「Dream?俺の事だろ」と一発かまして、{間} 「なろうとしてるよ」で攻める。うーん、なんでかなぁ、こおいうDeepなアルバムだとレビューが軽快になってしまうぞ。それは自分の性(さが)かもしれん。


全体として自作曲のレベルも高い。何より同じ境遇の女性を救えるアルバムとしての評価も高い。だけど、P2S2R&Bとしては「男の子が学びましょうアルバム

確かに現実の女性がこれだけストレートな事は滅多に無いもんだけど、ストレートを受けとめてくれないと思わせてる限り、絶対に投げて来ないのが女性だと思うから。男のストレートと女のストレートは種類が違うから。皆これを聴いて、いい男になりましょう。
[2009/10]

最近、気づいたのだけど、この作品を聴き直す度に、妙に9:Herをリピートしていた。

以前は他の曲と比べると評価してなかった。なのに今はこの曲に一番Soulを感じる。曲の歌詞世界としてはFriend of Mineに繋がる曲なのに、歌いこむ心情が違う。この曲は彼氏が去っていった事についてサビで"You don't really love her"と歌っているのに、不思議と心が落ち着いているんだよね。この冷静さがFriend of Mineに無かった点であり、曲自体も歌詞に比べて100倍も淡々としている。だからこそあの頃はこの曲の凄さが分からなかったのだけど。。

けど、今はやっとこの歌を歌うKelly Priceの表情が浮かんでくるようになった。今なら昔と違って、このアルバムの中で本曲こそが白眉だと断言できる。もちろんそんな事を言う人が誰もいないのは分かってる。たとえどれだけR&Bファンでも、彼女のファンであっても、この作品の中のNo1をHerにはしないだろう。

けど、この曲を聴いて思うのは、彼女は彼氏が自分の親友の元へ去っていった理由を分かり始めているのだ。曲の後半の泣き声は、その理由の正しさを直感的に感じたからこそ、その正しさを受け入れられないと叫ぶ心。これこそが本HPが定義する「冬の表情」であって、悲しみの底で自分自身の過ちを認める瞬間。聴けば聴くほどにそう感じる。

だからこそラップが入った10:Your Loveを経て、12:Take Me To A Dreamに繋がるのだと。辛い辛いと叫ぶFriend of Mineが底なのでなく、淡々と歌うHerこそが底であり、この曲を歌いきったからこそ、彼女の人生は前向きに続いている。それが僕の結論。


  81 Kelly Price "Mirror Mirror"
(2000年)
<A rank>
・Good Love [UM]
・Mirror Mirror [S]
・As We Lay [S]

・The Lullaby [S]
・Can't Run Away [MS]
・I Know Who Hold,,, [S]
<B rank>
・Married Man [S]
・She Wants You [S]
・Love Set You Free[S]
<C rank>
[2001/11]

2作目としては文句無い出来なのは間違いない。処女作に比べるとDeepな部分が弱くなったが、その分だけ多くの人に訴えかけれるモノがある。このラインに留まってくれるのなら全く文句無い。実際、このアルバムから入って処女作に辿り着くというのもナイスなコースだと思うしね。

Good Loveは本人が「私に合ったミドルはある」と断言するだけの出来です。掴みはバッチリだね。リズム感がありながらも、塗り込まれた油絵のような曲って結構好きです。

"Your're My Destiny"ってフレーズが多い。そして、この言葉に独特の響きがある。彼女のDestinyの深みは信じれる。前作の成功をうけた余裕感が嫌味までいってないのもポイント高い。全体的にも前作以上にリズム感が出てるから聴き易いと思うな。

確かに自作曲のメロディーに光るものが無いのだが、その分だけ入りやすいと思う。1番彼女を身近に感ぎるのがLullaby。自身の子供が歌ってるが、それ以上に彼女を身近に感じる。この曲の存在で「前作の成功おめでとう」だね。

一級品の曲は少ないが、全体としてのレベルは高い。As We Layも文句無しです。
[2006/04](Weekly Commentから)

改めて聴いてびっくりしたのがKelly Priceの2ndです。1stは昔と結論変わらず。発売当初は1stに比べて完成度が落ちてると思ってたし、そんな点数をつけているけど、タイトル曲はもっと評価すべきだと感じた。「鏡」を歌った曲はStevieとR Kellyが取り上げているから、男が鏡の前でpickin' me a partをするのは常識だと思ってる。それに対応する女性陣側の曲になっているね。本曲以外で女性がこのフェーズを歌った曲は知らない。だから、そういう面でも価値は高い。前作よりも曲と意志の完成度が低いのをネガティブに捉えていたけど、それこそが何処にも行けない自問自答だと思った

だから変更しておきました


  94 Kelly Price "Priceless"
(2003年)
<A rank>
・Again [S]
・So Sweet [S]
・He Proposed [S]

・Whatcha Gon Do? [M]
・Strong Man [S]
・Sister [M]
・I Stil Do [S]
・You Make Me Feel [U]


<B rank>
・Back in The Day [M]
・Take It to the Head [UU]

<C rank>
[2004/07]

本作品が2作目よりも上なのはコンセンサスになっている。強烈なデビューを飾った歌手ほど、逆にそこから抜けれないものだけど、彼女は本作でそれを可能にしてる。巨象のようなDeepsさから色んな面でMoveしてる。そこに一番感銘を受けます。

前作ではMiddleも重かったが、今回は明るくキャッチーなMiddleな曲を前半に固めてる。そこに恣意性が無いのがいい。彼女の中の時も満ちたのだろう。2:somedayは曲としては良くないが、彼女の半生が綴られてる。それをこの明るさで歌えるようになった事が彼女の歩みを示してる。

けどさ、ここに描かれている境遇の娘に、本曲は届くのかな?って思う。成功を示しているだけであって、「あそこから頑張った」って言ってるだけで、現時点で落ち込んでいる娘の側には歩み寄ってない気もしてしまうのだが・・・。だからBランクです。

3:You Make Me Feelの方が明るさとしてはナイスだと思う。こんな曲をKelly Priceが歌うようになるとは、あの頃想像だにしなかった。4:Take It To The Headは男を捕まえに行く曲。ちょびっと怖いから、(オレッチを含めて)男の多数はこれに逃げちゃうだろうw

5:Sisterは親友Faith Evansとのデュエット。詞も子供が出来てしまった女性の為に歌ってる。her boyfriend says he didn't fatherとかホント現実から逃げてないのは流石です。悲しみよりも、それを吹き飛ばす位に吼えてる。

Latelyに書いたように6:Againは緑つけます。この曲こそがKelly Priceの強さを示してる。面子なんてかなぐり捨ててる姿が輝いてる。「女の面子」とか言ってる娘ほど此処に来れなくて、本当の意味で明日は来ないと思うな。
7:interludeを挟んで今までのKelly Priceになる。8:Strong Manも強い。「理想の男性像を歌うコンテスト」をした日にはKelly PriceがTOPになるだろう。MaryJ.でもAngieでもトニブラでもなくて。10:He Proposedはそんな面がより出てる。絶対さ、バレンタインにプロポーズする男なんてクサイよぉ。けど、女性陣から睨まれるから小さい声になってしまうが・・・

11:So Sweetは今までに無い曲。Latelyにも書いたけど、Sweetに完全に浸ってないと思う。それは今までを俯瞰してるからだとも思う。この曲を流して、「ぁあぁ Sweetだわ」って浸れる女性はどれ位いるんだろう?と思ってしまったりも。やっぱりこんな曲でも太く吼えてるから。


12:Whatcha Gon Do?もこんなどん底フェーズをこれだけ明るく歌えるようになったこと。Kelly Priceが掴まえた輝きが良く見える。相手の男を高みからからかう余裕があるのが凄い。14:Girlfriendは低い曲。女友達について歌ってると思ってたが、違ったのか。どちらかというとAgainに近い曲なんだね。この重さは処女作並だと思う。15:Ifも同じぐらいに重い。出だしのBabyBabyBabyから凄い。2作目のAs We Layに続く曲なんですね。

17:I Still Doはオーソドックスなバラードなんだが、彼女の声は輝いてる。詞が引っ張って名曲にしてる。この曲の閉じ方は中途半端だと感じる。この曲はJam&Lewisに任せるべきだ。そしたらMaryJ.のthe love i never hadまで行ってた。あの曲の出だしの語りと同じ位に、このbridgeは何度何度ももつぶやくだけの価値がある。こうやってAgainまで辿り着ける女性になってください。一般的に考える以上に人生って一度の間違いで終わるから。
i'll find a way to breath agein
this won't be how my story ends

のフレーズは限りなく深い。

他のコーナーで現状を見つめる勇気があれは、呼吸は出来るよ。そしたら明日への第一歩だ って書いてあるけど、Kelly Priceの言う通りこれが事実です。



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