85点 | Glenn Lewis "world outside my window" | |
(2002年) <A rank> ・Take Me [S] ・Something to See [S] ・Is Not Fair [S] ・Lonely [S] ・This Love [S] <B rank> ・Simple Things [S] ・One More Day [M] ・Don't You Forget It [SM] ・Take You High [S] ・Beautiful Eyes [SM] <C rank> |
[2003/02] 1:Symple Thingsから期待通りの手触りで、ジャケットとピッタシな感覚。彼自身の独自性も伺えるのがいい。近年稀な内省志向で立つアーティストなのは間違い無い。続くBeautiful EyesはMusiqそっくりな曲。ちょっと似すぎな気もしてしまいます。平井堅とも志向性が似てると思います(顔の作りも)。スティービー・ワンダーを目標にする所が一番似てる。過度の湿っぽさがないのはカナダ出身とはいえアフリカン・アメリカンだからかな。 シングルカットされたDon't You Forget Itは手堅いが、そこまでの曲じゃないと思う。4:Something to Seeは2,3曲目のMusiqに似すぎという不安感を吹き飛ばしてくれる曲。イイ位置にイイ曲を持ってきたと思う。彼の透明感がよく出てる。アクセサリ・ショップで流すのが似合う曲になってます。 Lonleyから彼が突き詰めていく。ここら辺の衝動感があるから、今後もかなり期待してます。内省・ナイーブだけではアルバムとしてもアーティストとしてもモタナイと思うから。恋愛からこの世の意味を掴み取ってくるような衝動感を持ち得る人だけが先に進めれるのだから。その意志を感じる曲になっているのが素晴らしい。続く6:This Loveも高い完成度。アルバム全体に独自コンセプトが静謐感をともなって存在する。それが5,6曲目に明確に出てるネ。 少ないミドルであるOne More Dayも悪くない。本アルバムの重心はTake Meじゃないかな。彼の衝動が一番大きい。悲痛感をともなったサビがたまらない。この時点で200%終わってるのは当然なのだが、「他事で気を紛らわせるよりも叫ぶ方が、明日はやってくる」と言わんばかりの態度に完全同意です。 新作コーナーじゃ「歩みは足らない」といってますが、Is Not Fairはいい方向性。この曲一つで彼が今後も伸びることが示されてるんじゃないかな。どれだけの偉人が言おうとも、納得できないことは納得できないと言うべき。 下手に分かった顔する若者に一生答えはやってこないから。これぐらい正反対をぶつけてこそ微笑ましいというもの。曲としてはそこまでではないのだが、それを補って余りある。 個人的には平井堅に聴き込んで欲しいアルバム。彼との差を見詰めれば本当に本国で挑戦できるSingerになれると思うから。過度の内省調は湿っぽさしか生まない。悲しみを歌いながら、静謐感をだせるGlenn Lewisの方が先にいると感じる。今後のポイントは砂漠感。自身の心をえぐって感情が生まれる泉を見切れば、きっとInnervisionsのレベルに行けると思うよ。 このアルバムにドライブ感を感じるようになったら、内省的な男性は全て落とせる女性になること間違い無しです。男の衝動というのはこんなフェーズもあるものだから。 |