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Brian Mcknight "Brian Mcknight" | |
本作については新たにまとめ直したのでこちらを見てください | ||
(1992年) <A rank> ・The way love goes [SM] ・Goodbye my love [MS] ・Love me Hold me [S] ・After the Love [S] ・One Last Cry [S] ・Never Felt this way [S] ・I Couldn't Say [S] ・Stay the Night [S] ・Love is [S] <B rank> ・Oh Load[M] ・My Prayer[S] <C rank> |
[2001/12] 最初にThe way love goesとGoodbye My Loveで駆け上がる。昔はミドルだと思ってた。けど、今はスロウだと思う。多分、マクナイトらしからぬ強さのこもった歌い方がテンポ以上にミドルと感じさせたと思う。特に後半はシャウトと言っても良いんじゃないかな。数が少ないから正確には分らないけど、この曲で歌われている感情が彼のシャウトをドライブさせるものだと思う。 キツク言えば、"切る"という感覚。未練を押し殺してる。定まらない気持ちを強引にあるべき場所に持っていく。それが辛いとしても、時間と戯れる事の方が許せない。Love me Hold meで輝かせてるから。引きずる事よりも、最後の輝きに昇華させてる。彼の声も高みに舞上がってる。他のアルバムでここまで高い声は無いんじゃないかな。 そしてAfter the Loveになる。一転して距離を取ってる。体を外し、手の中に終りという事を包みこみ、やっと実感してる。今までは終りというよりも終らせなくちゃという感覚の方が強かったと思うから。それにしても最後に声だけでLoves Goneか、、 One Last Cry:泣かないで済む方法があるとしても、それは人を幸せにしないと思う。それを選んだ時点で、何かを無くしてしまう気がする。独り流す涙の終りよりも、強いものは存在しない。涙を堪える力があるのなら、その分だけ事実を、選択を、結果を受けとめるべきだと。 |
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ここから純粋に独りの世界になると、いつも思う。誰にも何も語ってない。誰も見てない。そして、誰もこの空間を表現してない。マクナイトのこのアルバムだけ。誰かの為じゃない。自身の為でもない。なぜこの場所を曲にしたのだろうと、思う。 Never Felt This Way:この曲がピアノだけって、ホント信じられないや。I Couddn't Say:前曲の突き詰めで、何かを掴んだ彼が、それをもって高みに上ってる。ここら辺は歌詞も対訳も当てにならないと思う。もっとも現実性の無い景色。一つ一つが意味があっても全体として不明瞭。欲しいんだといっても、それを感じない。違う、彼が掴んだ事は。欲しいじゃないっていつも思う。 Stay the Night:誰にその寛ぎを渡しているのだろう。ここで、寛いでる。けど、誰もいない。彼は寛いでいるけど、誰もついて来れない気もする。突き詰めた後でかいま見える場所。この歌を歌う顔が見たかった。って、それ以外もPVで見たいけど、これは特に。この感覚を水で薄めて出していると、それ以降の作品で思うから。 ここからあんまり着いて行けなくなるんだよね、Jazzぽくなるし。一貫したコンセプトがStay the Nightで終了する気がするから。この曲から始れば親しみ易いアルバムになるのにね。Oh Loadは彼のどのアルバムでも同じ感覚。けど、女声と間違う位なのはこのアルバムだけかも。多彩な声の表情だと思いマス。My Prayerと二曲あるのも珍しいかも。特別にあるだけあって、、出来すぎの親父は重いだろうなぁ。 アルバム全般に歳を感じさせない声。若さをウリにはしてない。といっても、この精神の躍動というみずみずしさを保ちつづけるのは、かなりしんどいだろうけど。 Love is:これが無かったら、マクナイトはシーンから退場していたんだよね。ビバリーヒルズ高校白書のサントラとして持っています。手触りは変わってないけど、声はよりセクシーになっている。取り上げ方もLove isだから、それまでのぶっ飛んだコンセプトよりも近い所にある。何よりデュエットだからこそ売れたのかな? |
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Brian Mcknight " Superhero" | |
(2001年) <A rank> ・love of my life [S] ・what's it gonna be [S] ・when will i see you again [S] ・biggert part of me [S] ・for you [S] <B rank> ・my kind of girl [SM] ・everything [S] ・get over you[S] ・still [S] <C rank> ・ |
[2002/02] マクナイト自身も満足の出来というこのアルバム。確かにやりたい事をやっていて、いつに無く寛いでいるのは嬉しい。アルバム全体的に切迫感が足らない気もするが、その点は次回作に期待してる。過去の作品と比べるなら2作目と対比させるといいんじゃないかな。 2曲目のWhen you,,,から寛いでるもんねぇ。what's it gonna beもこのフェーズの割には穏やかで今まで無い感覚。この手触りはお手本にしたいと思ってます。弟扱いのジャスティンと歌ったmy kind of girlはそこまで認めてないが、女性に対する受けはいいと思う。こんなマクナイト・スタンスが広まるのはイイ事だと思うな。確かにジャスティンは声色から頑張ってるもんなぁ。けどねー追っかけるなら精神性から行かないとw このアルバムの中で唯一前に進んでいると感じさせるのがlove of my life。個人的には泣き叫びファルセットが好きだが、さすがにそんな歳じゃないという事かな。1stの頃とは違うもんね。 everythingとget over youやstillとかに、このアルバムの性格が1番出てると思う。けどなー集めて通して聴くと、どれも似たり寄ったりなんだよなぁ。デュエットが2曲あるから、そこで趣向が変わって楽しいのだが。そんな意味ではマクナイトは色々歌ってるのだろうが、こちらとしてはそこまで差が出ない。まあ現状維持のアルバムで、何処かに向かっている訳じゃないのだから、どうしても曲毎の違いが浮かび上がらないのだろう。 イキナリ1stを薦めれないしとか色々考えると、お勧めアルバムであるのは確かなのだが。このアルバムだけでは、本気でファンになる人もいないだろうなぁ、、、タイトル曲は減点したくなってくるが、まあいい。don't know,,,もイマイチだなぁ。 トータルで考えるとJoeの"better days"に近い。マクナイトが寛いで、Joeが内省になって同じというのもなんだが。Joeのbetter daysの方が皆に好かれる気もするなぁ。最近は一緒に仕事もしてるけど、もうちょっと両者の持ち味をハッキリさせて欲しいとは思う。 |
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Brian Mcknight " U TURN" | |
(2003年) <A rank> ・Shoulda,Woulda,Coulda [S] ・If It Was Cool [MS] ・For The Rest Of My Life [S] ・Someday, Someway, Somehow [MS] ・Back Seat(Getting' Down) [S] ・One of the One's Who Did [S] ・Where Do We Go From Here [S] ・So Sorry [S] <B rank> <C rank> |
[2004/07] マクナイトの唯一の中途半端な作品。U TURNと言いながらも全く折り返せてない。折り返し地点で立ち止まって動けなくなっている姿しか浮かんでこない。確かに長年連れ添った奥方と別れたのなら、こういう作品になってもしょうがないのかも。。処女作のような頃とは違う。けどさ、表も裏もジャケでグラサンしてる。それがかなり不満。裏ジャケの腕の組み方はかなり痛みを表しているが、グラサンが純度を落としてる。 Nellyを連れてきた1:All Night Longもイマイチ。別にマクナイトが男の鏡ではなく、裏で色々あったからこそ別れる事になったのかもしれないけど、ならそれを潔く見せればいいのにね。そしたら今までのナイスガイなイメージは吹っ飛ぶし、それはそれで男のリアリティだと思う。 けど、それさえも出来てない。長年のファンとしてかなり怒りが込み上げてくる。こんな男に憧れた訳じゃない。面子を捨てきったR Kellyを見習った方がいい。まだマクナイトは面子を保とうとしてる。10%ぐらい残るんじゃないか?って甘く考えてる。そうやって人はマイナスになるというのに。逆に全部捨て去れば10%以上残るというのに。。 2:Back Seatはマクナイトが初めて見せた本気の痛み。それは浸る価値があると思う。3:Shoulda,Woulda,Couldaはマクナイトらしい寛ぎに痛みが織り込まれた曲。この曲があって、この曲がHITしてホントに良かったと思う。それが無かったら、次回作を作れるのか怖い。そんな意味では甘甘なSuperheroよりも本作の方が上なのかも。 4:Try Out Love Againとかそのまんまのタイトルながらホント中途半端。5:Whare Do We Go From Hereは処女作のThe way love goesと比較して、勢いも振り切る気持ちも10%ぐらいしかない。けど、なんか妙にリアリティを感じたりする。 |
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7:Good EnoughはJoe, Carl Thomas, Tyerse, Tankと大量に連れてきたのが凄い。とりあえずTOPにいることは証明してる。けど、全員が絶対に必要といえるのかな?
8:Someday,Someway,Somehowはバックの鍵盤がイイ味だしてる。サビの泣き声、特にSomewayの部分は初めて聴いたなぁ。Somehowの最後の伸ばした部分のハゥの声の脱力感が無性になんか悲しい。だから赤をつけちゃいました。 9For The Rest of My Lifeも輪郭がぼやけててクリアじゃない。処女作のような泣くのを押さえ込む気力もなくて、泣くほどの気持ちの高ぶりもなくて、愚鈍な痛みが見える。キビキビしないバックの声が、一人残された男の崩れていく生活感を伝えてる気もする。 If It was Coolは本作の中で唯一元気が見える。元気を分けて貰うために本作を聴く人もいないだろうけど。けど、これは別れの先に見つけた元気じゃないんだよなぁ。よくよく聴くと、声はそこまではしゃいでない。イイ曲だから、元気になったら再収録して欲しいです。11:U TURNはタイトル曲のくせにアホなでき。サビでIm lookin for a U-turn girl, from up around the wayとあっぴろけに歌ってるのが凄い。同じ2003年発売のCalvin Ricardsonの" I'm just an average negro"に比べると、こちらはホントにどうしようもない。「次に出会った女性で人生U-turnできるなら、俺だってそうしてーよ(怒」と暴動起こしたくなってくる。 12:So Sorryは余裕が零になったマクナイトの声。聴き込む価値はある。寛ぎも吹っ飛んでったリアリティはある。13:One of the One's Who Didはイイ出来。自分自身のことは横において、全編こんな題材で歌った方が良かったのかもね。曲としてはかなりイイ。日本盤のみに収められた14:Overだけど、Back at Oneで完成されたマクナイト調の曲だけど、やっぱり輪郭は不明瞭で声は愚鈍なんだよね。 かなり不満大なアルバムだけど、今までのマクナイト像を保てない程の痛みは感じる。それが綺麗な形じゃなくて、どうしようもない形で表現されているのに、凄く、、、親近感を覚える。素直に言えばこんな曲群に親近感を覚えたくないが、妻に去ってかれた中年男性をここまで切り取ったアルバムも無いのかもね。傑作曲が無いのが、また痛ましい。怒ってばかりだけど、これこそがマクナイトの現実なのだろうし、自分も同じ立場になった時は聴き込んでしまうのかもしれない。 今までの声の表情とは全く違うから、そんな意味では聴く価値もあるかも。こんな立場にならないためにも、反面教師として聴きこむ必要もあるのかもしれない。けど、本気で追っかけるほどにブルーになっちゃうだろうなぁ。処女作のような沸きあがる水流もなく、のたうちまわってる。10%の面子は保とうとしていると書いたけど、聴きこむ程にそのラインさえKeepできない現実が浮かび上がる。そんなマクナイトの現実は真のファンなら聴き込むべきか。僕もこれをUPしたあと、もう一度聴きこみます。そんな意味での80点 |
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Brian Mcknight " GEMINI" | |
(2005年) <A rank> ・Come Back [SM] ・Everytime You Go Away [M] ・Your Song [SM] ・Here With You [MS] ・Everything I Do [S] ・What We Do Here [S] ・Me&You [S] ・All Over Now [SM] <B rank> ・Stay [SM] ・SHE [M] <C rank> |
[2006/05] 全体的な完成度では前作よりも上。余裕感のあるsuperheroやBack at oneよりも好き。処女作がTOPというのは変わらないけど、その次のanytimeと同じレベルに位置づけてます。もうちょっと悲痛感が欲しかったのだが、この「年齢相応な独りの寛ぎ」には結構惹かれている。こういうスタイルを提示できるのが、マクナイトの良さでありBabyfaceが持ち得なかった点だと感じる。 この作品を僕が泣いて喜ぶレベルにまで持っていけば、処女作と同じくらいに売れなかったと思うから、これぐらいがちょうどいいのかもね。歌手としての成功という余裕と同じレベルを何処から持ってこれるのかは不明だが、仕事が上手く行って、結婚生活が上手く行っていないマクナイトと同年代の人にこれほど薦めれるアルバムもないと思う。個人的にも若い人の曲を今から聴くよりは、この手触りの方に惹かれてる。 1:Stay With Himから期待大。このサビの詞にしてこの曲調は凄いと思う。その時点で困惑してた前作と違う事が分かる。2:What We Do Hereも寛ぎ感がいいね。3:Everytime You Go Awayこそが「歩いていかなければならない」という意志を一番感じる。やっぱりこういうマクナイトに惹かれているんだよね、ずっとずっと。処女作では「中途半端な恋愛をするならば、音楽聴いたり、本を読んだり・・・」という意志が貫通しているけれど、そこから彼も歳を重ねて、そしてこの場所で歌ってる。 納得できないのが、4:Grown Man Business。収録してる必要性がわからない。アルバムの純度を下げてるだけの気もする。それともこの曲はアルバムのHITに貢献できるの?? 出来の悪いBad Boyの曲みたいだ。 |
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マクナイトの十八番になったファルセットで歌う5:Everything I Doだけど、初めて曲となったSuperheroのlove
of my lifeと本曲だけを連続リピートすれば、声の表情がもっと見えてくると思うよ。ファンの人はやってみたらどうかな? 6:Here With Youがいいんだよね。普通に流してればリゾート地の午後に似合うような曲だけど、このジャケのような微笑がある。多重録音のバックの声にわずかな痛みが見える。その構成に一番惹かれてる。 7: All Over Nowには僅かにでも痛みを感じない。確かに一曲ぐらいはそんなテイストも必要だと思う。ここら辺がアルバムで一番明るい部分だね。8:SHEはそんなに惹かれてない。けど、若い人にアピールするには必要なのかな? 9:Stayも痛みを感じないなぁ。続く曲がCome Backでガツンと底だから、もうちょっと中間の曲を持ってきてステップにした方がいいと思った。 やっぱり10:Come Backの底感覚が好きなんだよね。恋愛が終わった後はこういう状態にならないと。処女作に導かれ、何年間空いてもそういう恋愛だけを重ねて生きたいと思う人ほど、本曲をTOPとするでしょう。多重録音したバックコーラスが痛みを和らげている。それが処女作にない感覚で、それこそが新しい道標なのかも。 11:Watcha Gonna Do?はパス。12:Your Songの優雅さが好きなんだよね。メジャーな歌手の中では一番Jazzタッチの曲を作ると思う。この曲を聴くたびに発売されなかったGEMINIのかたわれが聴きたくなる。これあがるからこそ、処女作とリンクする作品になってる。13:Me&Youはマクナイトの曲作りの才能を感じる。荘厳さを上手く達成しているから。こういうLoardの曲で締めてこそ、彼の渾身のアルバム。 |