Avant
− 心なしか、内省感 −
女性に怒られている姿が想像できない


  84 Avant  "My Thoughts"
(2000年)
<A rank>
・My First Love [S]
・This Time [S]

・Separated [S]
・Reaction [M]
・Get Away [SM]
・OHH AHH [SM]
・Why [S]

<B rank>
・Happy [M]
・I Wanna Know [S]
[2005/04]

2000年に発売されて耳にした時はそこそこ気に入ってたけど、中古買い予定になってた。買った後も結構聴いてたけど、なんかUPが遅れてしまったです。

R Kelly好きにとっては、Steve Huffが作る曲もAvantの歌いっぷりもR Kellyの部分集合の気がするのは事実。けど、2003年にChocolate Factoryが発売されるまでは、R Kellyの作品でエロさのない聴き易いアルバムは無かった。そんな穴をAvantの本作が埋めたと思う。歌手の性格としては、なんかUsherに近い気がする。Avantも2ndはエロジャケだが、曲の聴き易さが近いと思うから。

1:Separatedは当時結構ヒットしてた。今聴いても結構聴き易い。曲の初っ端の音が上手いと思う。Joeの作る曲はR Kellyと似てる気はしないが、Steve Huffはホントに似てる。2:Reactionはラッパーを連れてきてるけど、これまた結構聴き易い。処女作だからかナイーブな面が出てる。Usherの処女作よりも売れ線なナイーブさだね。「心なしか、内省感」が売れる理由だと思う。マクナイトほど突き詰めてないのがポイントだね。

Usherはなんやかんやで大ヒットしてるが、MusiqとAvantを聴き込めばちょうどいいラインが分ると思う。彼女の父親にも気に入られる位のラインが絶妙すぎて、そんなのイヤだーと未だにオレッチは思っている訳ですが(オイオイw

3:Get Awayも結構いい。アルバム全体の完成度は高いと思う。どんな店でも流しておけるラインをKeepしてるのもMusiqに近い。まあMusiqはもうちょっとお茶目というかアホやりたがっている気がするが、Avantはひねりのない、悪く言えば没個性な声しているのだが、その分だけ聴きやすいんだよなぁ。
5:Happyはファットな面を出してる。でもこの聴きやすさなんだよなぁ。本HPからすると物足りない位なのだが、AvantからR&Bにハマッタ人はいると思うし、それは凄く納得するんだよね。 6:My First Loveはもちろん赤つけます。デュエットしているKetra Wyattの作品は中古で見つけたら買うつもりなのだが、なかなか見かけない。ジャケも唇の艶さが多すぎて評価に困る。。けど、この曲はかなりイイと思う。Avantも男らしさが見えるしね。曲の歌い始めでは明らかに女性の方が上。声域も上じゃないかな。そんな彼女に引っ張られて名曲になってます。

7:I Wanna Knowとか結構聴きやすいのだが、ちょっとアルバム全体の幅からすると狭いと思う。UPの8:SERIOUSはイマイチ。9:Destinyはタイトルの割には気持ちの高ぶりを感じない。Destinyでこのレベルなら言われた女の子もちょっと詰まんないんじゃないかなw 聴きやすいのは確かなんだが。。R Kellyに着いていくのに疲れ果てた女性には丁度いいのかもネ。9:OHH AHHはタイトルの通りエロさを出した曲だけど、やっぱり聴きやすい。

「聴きやすい」が「聴きや過ぎる」まで行ってる気もしちゃう。表現されている幅の狭さとナイーブさではMario Winansの処女作に似ているが、あちらの作品の方が閉所恐怖症のような深みがあって聴き込める。この作品は底が深くないからなぁ。けど、R&Bの入口としては悪くないと思う。買って損は絶対にしない。売れた割りには中古屋で見かけることも少ないしね。それだけ皆に気に入られているのだろう。

切羽詰った曲が好きなP2S2R&Bとしては当然11:This Timeは赤色です。結構、奥の部分が出てる。けど、叫んではいない。まあ初めてのドライブとかでこれ以上のDeepな曲を流すと、完全にアウトだからねぇ。。そういう面ではイイ線をKeepしてる。最後の12:Whyは手を広げたタイプの曲です。


  51 Avant  "Ecstasy"
(2002年)
<A rank>
・Don't Say No, Just Say Yes [S]

・One Way Street [MS]

・Thinkin' About You [S]

<B rank>
・Makin' Good Love [SM]
・Sorry [S]
・Suicide [MS]
[2005/04]

タイトル通りのジャケだが表情はイマイチ。この顔つきに惹かれて買う人はいるのかな? 、あまり最近見ないストレートなタイトルとジャケなのは誉めるポイントだけど、表情がなぁ。。本人自身は人なつっこい顔をしてると思う。それをそのまま出せばEcstasyにならないのは分るが、こうキリっとしてもなぁ。あの人なつっこしい顔で上手くEcstasyが出せる地点があるなら、凄く見てみたかった。

Ecstasyというフェーズでミドルを増やしたが、どれも輝かない。この曲とUsherの4thのヒット曲との差が大事だと思う。きっとAvantはあんな曲を作りたかったのだろう。そうならなかったのがプロデューサの力量の差と言い切っていいのか、そこら辺は分らない。

2:What do you want はラッパー連れてきてるし、これで一気に別イメージを確立したかったのだろう。エロのせいで一時出場停止中になってたR Kellyの穴を埋めたSlowは売れたが、ミドルでは穴がなかったという事かな。

3:Don't Say Noだけは緑つけます。1stの全曲よりもいいと思う。Don't Say Noという言葉はBabyなみに色んなフェーズで使える。これは恋愛終わり頃の気がする。そんな悲しさがある。けど、Avant特有の聴きやすさと混ざり合って、独自の空間を作ってる。少なくともR Kellyには出せない地点。歌詞はあくまでど真ん中なんだけどね。この独特の感覚はポイト高いです。

4:Makin' Good Loveは1stの平均レベルがある。Ecstasyというタイトルで5:Sorryというタイトルはやめて欲しかったが、そこそこのレベル。変な方向性を狙わなければ、彼らのタッグはこのレベルを普通に出せるのだろう。
6:No Limitとかのミドルがなぁ。声と全然合ってない。1stのヒットしてオイシイ思いをして、それをEcstasyという形で詰め込みたいのなら、それは別に文句ないw 「ありじゃん」と思う。けど、このレベルじゃなぁ。せっかくこのタイトルなのにこれだけしか歌えないのなら、彼の人生はまだ色々とリミットがあるのだろう。え、相変わらず酷いことを言ってる? だって「今の自分はどんなフェーズなら歌えるか?」を見つめてない気がするから。

7:Thinkin' About Youは1stの売れ線の曲と同じレベルが出てる。ブリッジでの音の作りがナイス。8:Six in Da Morningとかミドルはホントイマイチ。9:You Ain't Rightは曲はそこまで悪くないと思うが、相手を非難してこのパッションじゃ、男にしては低い気はする。

10:One Way StreetはCharlie Wilsonとのデュエット。彼の声とAvantの声の対比がいい味出してる。結構ナイスな曲。11:Love Schoolはミドルだが、そこまで悪くない。アルバムの最後の方でやっといいラインを見つけたかのよう。 Jack&Jillは悪くは無いが。13:Suicideはタイトルがびっくりな曲。もうちょっと練れば傑作になったかもしれない。珍しいタイトルだからセレクト。

あんまり文句だけ言っても良くないので、改善点を。
1stに連なる曲は悪くない。ただ飛び飛びで入っているので、全体的にイマイチなミドルで隠れてる。前半/後半で分けるだけでもマシになるんじゃないかな。Ecstasyというフェーズが今までのAvantの人生にどれだけあったかは知らないが、全く未開の地に飛び降りて、失敗してる気がする。そんなに人はポンポン別フィールドを手に入れれないよ。Carl Thomasの2ndのように、根気よく少しずつ周辺に広げていかなくちゃ。もしかしたら上の意向でこのフェーズを歌わされたのかな? なら結構可哀想ですが、この本人ノリノリの中ジャケを見てると、彼の意思かも?

どうせやるならアルバムタイトル曲(=Ecstasyというタイトルの曲)は絶対に入れてください。それで「俺はこのフェーズも出来るんだ」ってバシっと見せて欲しい。それが出来無いなかった時点でうーん、失格なんだよね。けど、なんかAvantの事を怒る気になれなかった。だから、一言コーナーを作りました。この2作を聴きこんで、ほんとAvantが女性に怒られてる姿が想像できないと感じる。それぐらいにイイ人な面がある。もちろん男として最低限のバカをやれないのは問題だと思ってるから、単純に誉めてる訳じゃないけど。でも、Avantを聴き込むと、女性に怒られる部分が治っていく気もする。女性の泣き顔激怒を見た事ある男性にはかなりお勧めです。Avantを聴きこんで、彼女のお父さんからすぐにOKが出されるラインを目指しましょう。



[Home]