《やるせなさ》
[2005/08]

改めて考えてみるとよく分からない感情ってある。実感はあるのに上手く説明できないもどかしさ。個人的にその筆頭にくるのが「やるせなさ」なんだよね。楽しさや悲しさと違って、やるせなさを感じる曲ってそんなに多くない。けど、曲からやるせなさを感じる事が出来れば、それは本人にとっての名曲になるのだと思う。振り返ってみると随分と「やるせなさ」についてコメントしてる。けど、やるせなさの核は何か全く分らないんだよね。体感的には分っているのに全く言葉に出来ない。

この前、Weekly Commentoに書いた。
辞書を見ると「心のやりどころが無い」って書いてあるけど、これはイマイチ。もっといい意味があるハズ。それが悲しみと哀しみの違いほど分ってないのだけど。。

悪い方向に進んでいるのが分るのに、止める事も出来ないのは無力感
嫌々しょうがなくやるのは嫌悪感
選択肢が無くて行き場が無いのは閉塞感

ここら辺が重なる地点にやるせなさ独自の何かがある。「やるせなさ」を感じる曲って、、、うーんすぐには思い浮かばないや。なんか、ここんとこやるせなさについて拘ってます。
英語で調べると、heartrending(heart:心 rending:ずたずたに引き裂かれる)か、disconsolate(dis:反 consolate:なぐさめる)になる。けど、これもなんか納得できない。そもそもこれで納得できるならここまで拘ってないよ。


そんな心情の時、改めてエリックを聞いた。
って言っても、R&B好きな人でも滅多に知らないだろうね。Blackstreetのメンバーの一人であってリードでもないから。僕もジャケを見ても誰がエリックなのか分らない。なのにこれだけ拘っているのは、傑作の誉れ高い2nd:Another Levelの中で一番好きなのがI cant't get youだから。皆に薦めて皆が気に入ったアルバムだけど、この曲をTOPに掲げる人には会わなかった。このHPを見てる人の中でも一人いればいい方だろう。駄作と言われる3rd:Finallyもそう。Drama, I'm Sorry, Finallyを誉める人はどれだけいるのかな。最後に出たGreatest Remixes +1の11:Think About You(Quiet Storm)も特に感じる。自分自身もなんでこんなにメンバーの一人に拘っているのか、ずっとずっと分らなかった。なのにこれだけ惹かれてて、その事実にずっと混乱してた。

Jaheimがエリックのことを尊敬してると書いていて本当に嬉しかった。楽しさよりも、悲しさよりも、やるせなさの共有が一番難しいと思う。このコメントを知ってから改めて数日聴いてました。そしてやっと分った。僕はエリックの曲に一番やるせなさを感じるんだ。彼の曲を追っかける事でやるせなさの核まで辿りつけると思う。


彼の曲を聴いて分ったこと。
「やるせなさ」の説明を見てみると、英語だろうと日本語だろうと「○○の否定」の形で説明してると思う。「やるせ・ない」というように。この区切りの時点でどうしても納得できない。僕はやっぱり「やる・せない」と区切りたいんだよね。それが曲の中から浮かび上がってきたから。すなわち、やる=行動("あげる"じゃない)、せない=切ない なんだよね。やるせないは無力感、閉塞感、嫌悪感とかじゃなくて、「切なさ」に近い気がする。
そうだとしたら、

「切なさ」って何?

誰もが当然のように分っていて多用する言葉だけど、改めて真正面から考えると全く分かってないことに気づいた。「せつない」って「せつ・ない」って分けれるの? そんなことさえ分らない。まるで、森を抜けたらもっと深い森に迷い込んだような気がする。。

僕は今、切なさを感じているのだろうか? 歳を重ねて昔より「切なさ」を感じなくなった気がする。
僕は今、やるせなさを感じているのだろうか? 歳を重ねて昔より「やるせなさ」を感じる気がする。


答えにどれだけ近づいたんだろうね。
それはここまで読んでくれた人が判断する話なんだろう。
とりあえず、今はこれで精一杯です。

[2010/04]

ずっと「やるせなさ」の定義が出来なくて悩んでいたけど、「切ない無力感」でいい気がしてきた。すると「切ない」の定義が必要になるけど、「切ない=好き、だからこそ苦しい」でいいと思う。だから「やるせない=好き、だからこそ苦しい、そして無力感」となる。

切ないは恋愛感情がメインだけど、やるせないはもうちょっと広い対象に使えると思う。そんな意味では「やるせない=良くしたい&無力感」とも言えるだろう。ただ、この対象は自分が間接的にしか作用できない相手に限定されるじゃないかな。本人が密接に関与して失敗したら、無力感オンリーになる気もするから。



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