浮かぶ波紋を追いかけて
[2001/12]

確かにR&Bリスナーのコンセンサスってある。昔はあまりそれを気にしなかったし、若い頃は勝手に聴けばいいと思うけど、やっぱり最終的な結論は近い所に来る。もちろん未だに理解してないアーティストもいるし、「個人的に好き」「個人的に合わない」もあるけど、大枠としては近いと思う。
それはアルバムの中の曲に対しても。誰もが褒める曲もあれば、誰もあまり褒めない曲もある。レビューが目指す所は、「きっかけ」だろうし、たたき台になる枠組みの提示だと思う。だから、それを提出するのが最初の目標になると思う。その上で、各人それぞれの評価軸が出てくると。

曲の評価軸としては様々なものがあるけど、一応対立する基準として「自身優先」か「リスナー優先(HIT性)」という2つがあって、アーティストはアルバム毎に変わっているとは思う。もちろん、ある程度有名になったら、2作続けて片方の方向性というのも出来るけど、どんな有名なアーティストも3作は連続で出来ないと思う。アルバムの中の曲でも、片方だけに特化したアルバムというのはやっぱり詰まらないとは思うしね。

人間同士だから、リスナー側でも「合う」と「合わない」が感覚的にあるし、それは良い・悪いの問題じゃないと思う。ってもちろん片方だけに固執するのも、上の2つの片方に固執するアーティストと同じで、あまり意味ないけどね。色んなきっかけで、聴く気が生まれて、少しずつ幅が広がると思うから。

自分にとっては、アーティストは「追いかけるアーティスト」と「待つアーティスト」に二分される。そして、追いかけるアーティストと待つアーティストの差は結構大きい。追いかけるアーティストの曲をみる時に1番重視するのは「どれだけこの曲がアーティストに近いか」だし、待つアーティストの曲をみる時に重視するのは「どれだけ一般受けするか、どれだけ聴き易いか」だから。で、このHPは御存知、「好きなアーティストに対してガンガン書く」のをモットーにしてます。

それは結局、「一般受けするか、聴き易いか」は分らんと思うから。それよりは心に浮かんだ波紋を追っかけた方がいいと個人的に思うから。結局、自分は自分しか見てない。相手を見てるなんて、思いたくも無いし、思おうとも思わない。自分が見るのは相手の存在によって作られる波紋であって、結局突き詰めれば、相互理解はそこからしか生まれないと思うから。それは、色んな結果として二十歳頃に生まれた達観。やっぱりR&Bにずっと惹かれてたのが大きいね。だけど、彼らの育つ環境と自分の育つ環境はやっぱり違うでしょう。それ位なら白人ロックの方が近いでしょう。けど、どうしても「夢を見させてくれない社会が悪い」という言動を感じてたし、それにどうしても違和感があったから。

だから、突き詰めるのは自分の中しかなかったし、歌詞も分らない曲は、そこしか余地が無いジャン。まあ、他にも色々理由はあるけど、最終的には空色の絶望感が根っこにあるし、そこから1歩でも進めればイイと思うから。これが間違ってるかどうかは、現時点でも良く分らないや。

じゃあ、そのスタンスにおいて、何を中心的に考えて入るかというと、、結局、現時点で自分が持ってるモノを片っ端から投げ込んで同じ波紋を作ろうとしている。って、もちろん全く同じ波紋なんて出来ないから、あくまで近似なんだよね。けど、それは人間同士だから当然だとも思う。歌う姿をイメージしながら、アーティストが作りだす波紋に焦点を合わせる。するとその度合いが大きくなる気がしてくる。それはズームになるのか、実際に大きくなるのかは未だ良く分らない。その後で、同じ波紋を作ろうというStepに移る。やっぱり、最初に焦点を合わせないと、大したものは出来ないもんね。

同じ波紋が出来たら、言葉は生まれると思う。後は画面の前で、波紋を作ることを考えながら、文章を書く。結局、恋愛に於いて、自分がする事も同じ。ってもうちょっと男と女だからドラスチックな事が出来る時もあるけど、まあそれは横に置いておく。だから、突き詰めれば波紋を見ることと、再生する事なんだよね。その感覚に1番近いのがMaxwellの1stなんだよなぁ、、、同じ事やってると思う。彼は自身しか観てないし、それが相手を観る事なのだと思ってるだろう。


アーティストにどれだけ近いかを計る基準は未だに良く分らない。ただ、よくアーティストのコメントは「親にとって全ての子供が平等なように、自分の曲に差は無いよ」という。けど、この台詞の時点で違うと思っちゃう。もちろんまだ親じゃないが、子供に対しても好き嫌いはあると思う。小説とか見ると、「実は、、、」ってコメントもあるし、妙にそれが実感できるから。って、もちろん子供に対して好き嫌いは絶対に出しちゃ行けないとは思うけどね(それをやるのが世の母親ってもんだと思うけど)

すると、やっぱりアーティストにとっても自身に近い曲と遠い曲はあると思う。それは歌いっぷりとかで計るしかないけど、これはかなり主観的なんだよねぇ。ただ、インタルードの次ぎの曲は、アーティストにとっても気合入ってると勝手に思う。もちろんインタルードが多すぎると、もう基準にならないだろうけど、2曲ぐらいのインタルードの場合は結構重視してるなぁ。

だから、自分の好きになった曲がインタルードの後だと妙に嬉しくなったりするなぁ。それを女性アーティストのアルバムで起こるとマジモン嬉しくなる。例えば、Missyの1stの9曲目とか、今回のAngie Stoneの12曲目とかね。ああ、ちゃんと好きになれたんだ。って妙にホッとするから。

男性で感じるのは、まあ極限まで合わせるマクナイトの1stとリチャードソンは横に置くと、Silkの3作目のI Wonderかな。なんでか良く分らないけど、あのブリッジはめちゃめちゃに来る。それがインタルードの後だったから妙に嬉しくなったなぁ。


人間の評価基準なんて、大して多く無いと勝手に思ってる。苦労してきた人は「この人はどれだけ苦労してきたか」で判断するだろうし、お金を意識して来た人は「この人はどれだけ持ってるか」で判断するだろうし、肩書きを意識して来た人は「この人の肩書きは」で判断するだろうし。まあ、「自分は複数の基準で判断する」という人も「複数の基準」という基準で判断してるんだから、大した違いもないと思う。

何か概念を想定すると、もちろんそこからはみ出る物がある。けど、もう一発繰り返すと、世の中の大体の事は捕まえれると思う。自分はそう思って思考して来たし、これからもそうする。それに人間の判断基準なんて、結局は大した事ないのだから、複数あってたッてバッティングするしね。そしたら片方選ばなくちゃ行けない。ここら辺が1番明確になるのが「結婚相手」を決める時だとは何となく思うけど、ここら辺はコメントする身分で無いのでパス。

すると最終的なレビューの差は、その人の評価基準になるのだと思う。「楽しい人が好き」なら楽しい曲を中心にピックアップするだろうしね。レビューなんてのは、共有性の無い意見なのだから、勝手気ままにぶっ飛んだのが複数あればいいと思うけど、そう思って書いてるけど、確かにいきなり見た人は困惑するかもね。くれぐれもLinkの方々を参考にしてくださいとしか言えないや。

それで自分の評価基準を考える。本HPは祝テキスト1MB超えた位に、ガンガンに書いてるが、それを大体読んだという人は客観的に見えてると思う。それを自己申告すると、どうしようもなさなのだと思う。結局自分は、人それぞれが持つ「どうしようもなさ」に注目し、そこから人間理解を進めて行くのだと。だから、上手く行ってる時はあまり興味も無い。まあ上手く行ってるからこそ調子に乗る"どうしようもなさ"もあるけどね。

で、最終的には、「そのどうしようもなさを好きですか?」という質問にYesと答えれるのが、自分にとっての好きなアーティスト。もちろん、「これは俺のどうしようもなさだ」と広言するのはパス。そんなの奥さんにも子供にも嫌われても、開き直ったオヤジみたいでなんかイヤw だから、どうしようもなさをなんとかしようとしてる姿に1番惹かれるのだと思う。それが直ぐ治ればどうしようもなさでもなんでも無いし、何とかしようとしても僅かに1歩というのが現実だと思うから。

マクナイトの1stとか、Tommy Simsとかかなり感じる。だから好き。すると本気で書きたくなる。すると、深読みになってオーバーする。客観性なんて吹っ飛んで行く。それでセンター試験の国語の問題は失敗したが、まあそんなもんでしょう。 最終的にはあまり気にしてないから。そおいうもんなんだって思うから。だからどうしようもなさを感じさせないアルバムの場合、Coolに書ける、距離感をKeep出来る。

けど、マクナイトの新作(Superhero)の裏ジャケみてよ。めちゃめちゃ付いて来てもらいたがってるよ。ああいうのみると微笑んじゃン。「あーーやっぱり」って思う。今聴いてるCarl Thomasも。裂け目が見える。今の結果に困惑してる。この先の結果も予想がつくのに手を差し出してる。その手は空を切ってるのにね。そんな姿は揺さぶられるなぁ。
なんで、どうしようもなさに注目するのか良く分らない。そおいう自分だと言えばその通りかもね。結局、自分はこのどうしようもなさをどうにかしたいし、どうにもならないと分っていても、少しは前に進めたいのだと。昔はもっとCoolにやってきたつもりだったんだけどね。

「いい女になりたい人にお勧め」でも、結局そこに結論が行ってる。最近、色々突き詰めると此処に来る。だから、今、僕は、どうしようもなさが何処から生まれるかを考えてる。
という事で、終わり。イマイチ、締りもオチもネタも無い文章だが、まあそんなもんでしょう、どうしようもなさについて考えているんだから、「それがあったら上手く行ってるよ」って思うもん。

で、タイトルの波紋との関連です。最近は複数の波紋が集まってるとは思ってた。アーティストのアルバム全部追っかけると、結局、どんな方向性を目指したアルバムでも、基底部分は同じような気がして来た。それに、どうしようもなさと名付けるのがピッタリだと思ってます。そりゃ「その人らしさ」でもいいけど、そんなにカッコ良くないよw ということで、波紋を追っかけて見えてくるのがどうしようもなさって事でいいかな?
という事で、色々完成しつつあるので、最後に本HPの最終的スタンスの説明終わりw
この先は週1UP予定なのですが、みなさん遊びにきてください。
待ってマース。



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