Terry Ellis
そよ風に舞う 羽毛のようなハイ・ソプラノ
[2001/04/16]

En Vogueの全作品よりもこのアルバムの方が好きなんだよね。
誰に薦めても、皆気に入る所も凄いと思う。実際、隠れ名盤の扱いになっているから。90年代にR&Bを聴き込んでいた人は全員が持っている作品と言えるんじゃないかな。En Vougueは"Giving him something he can feel"のビデオクリップで初めて知った。 あれはかなり雰囲気のあるビデオクリップだった。というより、「むんむんねーちゃんなビデオクリップ」だね。未だこのカテゴリーに該当するのはあれだけだから。そんなのもあって?En Vogueのアルバムも結構集めた。こっちはこっちで確固としたスタイルを作ってると思う。けど、Terry Ellisのソロの方が好き。


結局、「素直さ」なんだよね。多分、自己申告すると
グループの時と違い、このアルバムで彼女は一息ついてる。自身のやりたい方向性を突き詰めてる。 そう思うから。けどこの方向性は脱退した彼女(ドーン・ロビンスン)とは合わないと思う。これはかなり違うよ、、、 そして自分はTerry Ellis派だね。 だって、あのビデオクリップであの人"イヤラシかったもん"、、、幼な心に。男のイヤラシさも好きではないけど、女性のそれはちょっと、、、パスかな(汗

そんななんなを横において置いても、"Where Ever You Are"は絶対に名曲だって。
この曲をカバーできる人いるのかしらん? かなりの地点まで上がったその先で、喉の奥で転がしてる。 他じゃ味わえない。聴く度に全身総毛逆立つ。皆、このハイ・ソプラノで感嘆するから、 パンチ力もかなりあると思います。 他の曲もいい出来だし、アルバム自身の統一感も高いから。 精神性を提示している訳で無いけれど、そんな小難しい事がアホらしいと思わせるぐらいの音楽性を出している。だからかなり好きなんだよね。

アルバムタイトルの"Southern Gal"が全てを凝縮してる
R&Bはアルバムタイトルも曲のタイトルも安直なものが多いんだよね。 ラジオ・ベースの分野だし、それは大切な事だと思うし、ひねくり回したタイトルなんて野良犬も食わないと思う。だけど、ちょっち突っ込み入れたくなるセンスなタイトルなのが多い。 けど、このタイトルは全てを表現してる。これを見てピンと来ない人には縁がないかもね。確かにSouthern Galだから。

零から構築したというより、洗練させながら保ちつづけてた という感覚
そんな所がたまらない。南十字星というのも最高。 屈託のないアルバムを、休日の午後に何気なく聴くのが好きという人にお勧めなのは間違いない。

何よりも、 素直でありながら品がいいと思うから
気品までは行ってない親しみ易さもかなりポイント高い。
HipHopフレーバーの"What did I do to you?"もGOOD。最初に"check it out"が 連呼されているだけジャンと、突っ込まれそうだが、彼女の雰囲気に合わせざるを得ない所が凄いんだよぉ、と言いたくなる。隠れた名作じゃなくて、もっと前面に出てきて欲しい。そしたら2nd作ってくれるかも。 そうすれば、もうちょっと彼女自身の事が分ると思うから。

今のままじゃ、ある種の完成度の高い素直さで押し切られた気がする。 それって、物足りないな。
そんな彼女のスタンスがグループとしても個人としても文句ナシの理由だと。そう思いマス。
実はCDのケースのあそこの部分がピンクという珍しい盤があるんだよね。
あれ、かなり欲しいな、、、

【結局、ピンク盤を買ってしまった。中古屋で見つけたら不可抗力だったなぁ。同じアルバムを二枚買うとは・・・・】


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