Sparkle
プリズムに、逆に光を通したかのよう
[2001/04/10]

白色光をプリズムに通せば、先に虹が見える。 現実にその逆は有りえないけれど、R Kellyの複雑な光を通して、すっきりとした一色の輝きになるのは、 間違い無くSparkle本人の魅力によるものだと思う。最初はメディア露出が制限されていたというけど、確かに歌手としての才能は高い。 R Kellyが独占しようとしていたとしても、その気持ち良く分かる。 "Lovin' You"を聴いて余計思った。昔、Shaniceのカバーを聴いたけど、Sparkleの方が上手いと思う。 けど、"mother"なんてアドリブ入れさせたのは、どうせR Kellyでしょ。そんな事やるからマザコンと言われるのだし、アドリブの強制は歌手に失礼だと思う。 まあ、Rock LandからSparkleが離れていったのも当然かも。

けど、Sparkleはこの言葉さえ歌い上げているもんな、、、すごいや
二人去っていった今としては、やっぱR Kellyが悪かったと思うし、実際近づきすぎたらいい面が無い人なのだと思う。「分って欲しい」と「分ってくれなくて構わない」が混ざり過ぎてる。 何か言っても怒るか失望するか、、、どっちにしてもいい結果にならない。けどSparkleはそんなR Kellyの奥を汲み取ってる。

自身は奥ゆかしい態度を崩さずに
2ndを聴いたら、以外とファットな歌い方をしてたからびっくりした。 スティーブン・ハフの作る曲は嫌いじゃない。Avantも。アルバム全部任されて、 かなりのレベルに仕上げてくる。楽曲の幅も文句無い。 けど、やっぱりR Kellyと違って、何かは込めれないな、と思う。スティーブン・ハフは曲を散らすのが上手い。けどR Kellyは一つのコンセプトの下に作り上げてくるから。ただ、そのコンセプトがアーティストに沿っているかは別物だし、2ndはSparkle自身の魅力として統一感が保たれていると感じる人も、もちろんいると思う。

1stではSlowの曲が全部と言っていいくらいで、楽曲の幅は少ない。だけど、 緩やかに下降していく印象は、上下に振られるR Kellyのアルバムより 多数の人に対して希求力があるのは確か。 一つのアルバムを飛ばす曲無く全部聞けて、それでいて 飽きが来ないのは、かなり無いと思う。だから、このアルバムはかなりレベルが高いと思う。R KellyがSparkleの歌手としての才能を高く評価した結果なのだろうか?

アルバムの中でいがみ合っている部分がない。というよりも、かみ合ってない部分がない。
バックコーラスで参加する彼の声のかぶせ方は、二人の世界を作っている。

Sparkleは声で歩いていけるね。 王道路線だから、オーソドックスとも言えるけど、彼女がNo1でしょう。 "Be Careful"を聴いても、歌わされている感じが無い。間違い無く彼女自身の中で咀嚼した結果となっている

どちらかというと自分は2ndの方が、出そうとし過ぎての空回りを感じてしまった。
彼女は、零の地点から構築するタイプじゃない。かといって、R Kellyが構築したものを自身の色に染め上げ様とはしてない。 けど、すべき所で彼女らしさを出してる。

"いい女"って彼女のようなタイプの事なのだろうか、と思ってしまった
アルバム前半の山場が"Be Careful"だとして、そこから"Nothing can Compare"に入る。 この曲の完成度が、このアルバムの完成度の証左だと思う。 彼女はここで何かを抑えつつ歌っている。それが彼女本人の魅力なのだと思う。それを勝手に想像すれば、

R Kelly対するコメントだと思う

彼女はそれをわざと言わないでいる。受け留めるだけにしている。何よりも批評的な立場にいない。 そこがAALIYAHの時と違う。だからR Kellyも連られるようにどんどん見せてる。 それをSpakleはちゃんと受け留め、ふさわしい色にして、外に出してる。

実際R Kellyに関するコメントなんてどれも的外れになるようになっている、と思う。何を喋っても彼は喜ばない気もする。というよりも、どうせほっといても喋ってしまうのだから、 下手に水路を作るより彼に任せるままにすればいい。 大事なのは分かる事で無く、分っていると感じさせる事であり、というよりも、

分ってないと思わせない事

それだけ出来れば、世の全ての、ある意味で孤独感と戯れている男なんてイチコロ だと思うし、自分もそんなタイプなのだろうし。ただ、これってかなり出来ないと思う。 何よりある面においては男から尊敬を勝ち得なくてはいけない。 Sparkleは歌の上手さだと思う。R Kelly自体、自身が歌が上手いと思った事はないと思うから。

という事で、"Lean on me"は名曲です。他にもいっぱい揃ってる。 このアルバムは皆気に入ると思います。 一般的にピックアップされる曲に続く曲("Nothing Can Compare ","Straight Up ")の出来がかなりいい。Sparkle自身の歌いっぷりも自由さがあって。そおいう意味では、R Kellyの世界観は彼女であっても一仕事だったのかな?

Richardsonにとってのいい女は人知れず泣いてる娘だと思う。
R Kellyにとっては 何があっても泣かない女 だと、
そう思ってしまった。そんな今日この頃。
二作目:Told You Soについてはこちら



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