SOLO
彼らはSoulに殉じてる
[2002/02/11]

「R&Bの方向性を決めるのは本国のアフリカン・アメリカンである」
ずっと以前からこれはそう思ってる。それが嫌なら他のジャンルを聴けばいいのであって、わざわざR&Bを聴く必要もないと思う。そこで何故アフリカン・アメリカンなのかというとやっぱり色々Etcに書いてきた事にはなると思う。やっぱり聴き込むほどに優しさと光が見えてくるもんね。それこそがSoulなのだから。自分はその為だけに聴いていて、それだからこそ聴いてる訳だから。もちろん、本国といっても、日本が属国とかなんとかの話じゃない。ただリスペクトしているかどうかのフェーズの話だから。けどね実際、現実問題として、今の若いアフリカン・アメリカンは混乱しているようにも思えるんだよね。もう2000年も一年経ったけど、90年代を振り返ると、やっぱり奥底にはある種の断絶感覚がある気がしてくる。Soulの時代から20年以上たって、少しずつ輪郭線が薄れている感覚で。80年代のアルバムを聴くと、「うらやましい」って思う。70年代の逆とでも言うべきか、ある種の明るさに包まれてるから。

素直に書くと、やっぱり90年代の最高のボーカルグループはSoloだとは思う。昔は全然分からなかった。どう聴いてもJodeciやBoyzIIMenの方が良かった。けど、Soloが向いてるSoulの世界に触れ初めて最近色々分ってきた。R&Bに拘ってくる癖に、全然90年代以前を聴かなかったのが、アホな自分のスタンスだった。けどStevie Wonderの"Innervisons"やDonny Hathawayのアルバムの方は怖い位に引っ張られた。最近はSoloもこのアルバムでカヴァーしてるSam Cookeとか聴いてる。ホントに凄い。


結局、Soloは同年代を向いてない。ヤバイくらいに過去を見てる
そんなEuniqueのシャウトを聴くと、揺さぶられるなぁ。K-ciは死んでもこんなの出来ないよ。というよりも、K-ciは己の器を分ってる。それはBobby Womackの"If you Think You're Lonely Now"のカヴァーのビデオクリップを見てて思った。この表情がJodeciの3作目の前なのか!と怒りにも似た感動だったなぁ。D'Angeloのあのアルバムを聴くと、向こう側に渡り切った姿が見える。Soloは何があってもこっちの岸から動こうとしない。というよりも足が逆に向いてるよ。

駄目だよ、、、そんな危ない事をやっちゃ・・・
誰も時の流れには勝てないんだよ。時の濁流が唯一の無慈悲で慈悲な定めなんだから。それしか解答の無い所に落ち込んじゃって、それを恨めしく思うか、有りがたく思うか、この世はそんな積み重ねだけなのに、、、それに逆らっちゃダメなんだよ。

けど、彼は捧げれるだけのシャウトを持ってる
虚無感の見え隠れしたK-ciと二面性の見え隠れしたSisqoよりも、格違いと言えばそうかもね。それに位にダーネルの吼えっぷりは最高。ダニエルのテナーも確実にソロシンガーとしてやっていけるレベル。" A Change is Gonna Come"でのユニークの歌いっぷりは鬼だよ。乗り移ってるもん。確かにSoulの時代から照射すれば、90年代の最高のボーカルグループはSOLOだろう。それ位に時の流れを押しとどめてる。

このアルバムを薦めていいのか、素直に書けばよく分らない
「Alicia Keysがコンサートで祖父の話をした」ってファットソウルのライブレポートにあった。「なる程なぁ」って思った。結局、そうやって繋がっていくのが道なのかもって思うから。彼らは何故こんなにもいれ込んでいるんだろう? これならまだNew Editionの曲をグループ名にしたBoyzIIMenの方が可愛いと思っちゃう。それ位に彼のシャウトを追っかけるのは今までの自分じゃ無理だった。

簡単なとっかかりが微塵に無い程、完成度は高い。そして、Soulに捧げてる。だから、イキナリ聴いても混乱すると思いマス。けど、色々聴いていくと、過去の偉人の作品が少しずつ見えてくると、ここまでしなくちゃいけない彼らの想いがダイレクトに伝わってくる。親しみやすさで言えば2作目だと思いマス。"Touch Me"とかサディーク作の中でもトップレベルだもんね。ダーネルのボーカルも親しみがあるから。アホなノリで吼えてるもんなぁ。すげー魅力的。個人的には"Make me know it"かなぁ、、あんた全部2ndやん(怒) と怒られそうだが、それやこの処女作にとやかくいえる訳ないですよ。買ったら神棚行きは決定の様な気もするけど、このジャケットは毎日拝むだけの価値があります。恋愛じゃ使えないくらいの完成度だもんね。


HPで知り合った方にSoloのPVを貰いました。ホントに良かったです。Heavenでのバスの中のブランコが一番かな。どれもこれも色気があって、あれを発売当初に見ていたら、ファン直行間違い無しだった。評価が高くなってから聴き始めたので、浸るまでに色々と時間が掛かってしまったです。最初のうちは素直に聴けなくて・・・遅れてしまいました。すみません。
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