R Kelly
《幸せ》になったんだ、、、って思いました
[2001/04/09]


2nd[12 play]は、歌詞の割にはエッチな感覚を受けない曲が並んでた。 ガキでも内容が赤裸々ものってのが分っても、それでも。"it seems like you're ready"とか特に。 だから、ずっと、自分にとってR Kellyは捉え所の無い存在った。 ただ新作が出れば直ぐに買おうとは思ってた。
3rd[R Kelly]は、バラード群が並んでいても、何処から手を付ければいいのか分らずに、 正直困惑してた。あの頃は、同じような曲ばっか、、って思ってた。 それから1年位だろうか。R Kellyが"I belive I can flay"で新たな境地を切り開いていた頃に、自分は入院が重なってR&Bから離れてた。 その時、久しぶりに3rdを聞いて、やっと霧が晴れたと思えた。
けど、同時に、


彼はこの先、何処にも行けないかも、、、
このアルバムは"Tempo Slow"が1番深いと思った。だから。ここで、彼は《Step into my territory,,,》と呼びかける事から始ってる。 このフレーズって、ありそうでなかなか無いんじゃないかな。《step into my room》って良くある。現に、そのアルバムの5曲目は"Step in my room"だし。けど、ここで彼はわざわざTerritoryと呼びかけて、、、しかも、こちらの曲の方が深い。

これがR Kellyの本質だと
そう思った。 彼は「Territoryを構築する事、そこでKingである事」を目標にしてきたと、そう思う。 けど、その結果として満たされ無さを拭い去れなかったんじゃ無いかな。 けど、そのterritoryは捨てれない。血と汗で作ったのだから。 だからこそ、「このterritoryに入ってこい」といわざるを得ない。それで俺を納得させて欲しい。 此処までが間違っていなかった事、この先も道が続いている事を示して欲しい。 そう伝えている気がしたから。

このアルバムには"Religious Love"もあるのだから、彼の分裂志向は4th[R.]から始まった訳じゃ無いと思う。ひっそりと入れておくのか、シングルカットをするのかの違いしか無いと思う。確かに このアルバムはIsleyとのデュエットでも話題になった分、 こっちに光が当たらなかったと思う。

Play&Prayと思う自分だけど、実際、歌詞中に"Pray"という単語が出てくるアーティストって滅多にいない。もちろん皆、最後は"the load"だったり"thank you"だったりしても。 同じアルバムの中に"Play"と"Pray"が出てくるのはR Kellyだけだと。 それを分裂志向とは、、、やっぱり、あんまりこの言葉は使いたくないなぁ

彼自身は、何処にも行けなくて、、、誰かが持ってくる解答を
それが有り得ないと無いと分っていながらも、 待ち焦がれている様で、、

だから、4thはホントにびっくりしたな。特に"When a Woman's Fed Up"は。これが彼の最高曲だと思う。それにSparkleとの"Be Careful"も。何が凄いって、そこに出てくる女性なんだよね。 Sparkle本人じゃなくて、あの人、誰? 誰か分らないけど、 あの人、めっちゃくちゃ、R Kellyといい空間作りだしてるんだよね、、、

特に、壁挟んでおでこを重ねているのには
あれを見た瞬間に、R Kellyは幸せになれたんだ。 って思えた。 ガラス越しのキスよりこちらの方が上でしょう。


この世に彼のTerritoryをぶち壊してくれる女性がいたんだ、、、ってこっちまで何か幸せになってきた。 ってあの曲だけはシングルカットしないと思っていたんだよね。 あの心意気には参ったなーー。自分が10代の頃にブイブイ言わせたアーティストも 、皆、そんな年頃になったのかな、、、ってしんみりしちゃった。

最近の彼は、昔の彼ならば伝えれない事を伝えていると思う。それは裏打ちがあるから なんだと思う。 けど、吹っ切れた彼は少し詰まんなかったりも。ギリギリを歩いている感覚が無くなると。うーーん1番そこが美味しかったのに、、 とかいって。
もちろん、この先も支持し続けるよ。"TP-2.COM"のタイトル由来を聞いた時は「なんじゃそれ」 と思った。まあ、あれ以上の先は無いのだから、1度逆に振れるのも有りかな、、って思ってたら、 タイトルだけのそのまんまだった。アレには笑ってしまった。



もう無理になっちゃったのか、、、
って逆に何処かで寂しかったりして。もちろんそれが嬉しくも有るけど。今の彼も昔の彼も好きだから。
とはいっても、お勧めアルバムになると、ホントに困っちゃうんだよね。 松尾潔氏のように"sparkle"が1番いいとも思う。まあ、この混線具合に共感できるなら、[R.]かな? たとえ混線といっても、思いがけないランプがつく事も有るしね。特に、 disk 2の"Did you ever think"の歌詞内容と物悲しいメロディーがたまらなく好きなんだよね。 彼がterritoryを自身でどう捉えていたのか、良く分る。

Remixってあまりピンと来ない事が多い。元曲がよければ良いほど。自分もイメージに引きずられるけど Remix曲からも過度にひねろうというのを感じる事が多い気がして。けど、R KellyのRemixはCoolだと思う。自身が作ったヒット曲をこれだけ変えれるのも珍しいと思う。それこそがたぐい稀な才能の証左でもあるけれど、 もともと自身の作品に突き放した感があって、その距離感がRemixをいいものにするし、この距離感だからこそ、詰めこめる感情もある気がする。 どのみち誰も聖人君主じゃないのだから。


振り返って見てみれば、2ndの"For You"にも出てるのかも。
それにしても、1stは1番ストレートで、アレはアレで別口ながらお勧めかな。



Sparkle

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