Mary J. Blige
駄目だよ、メアリー
「私が悪かった。戻ってきて欲しい」なんて
[2001/04/13]


確かに男と女の話である限り、「どちらかが完全に悪い」というのはあんまりだけど、それでもね。
昔の自分のアンテナに彼女は引っかからなかった。だから初めて知ったのは"7 Days"だった。 そして、このビデオクリップで完全に持ってかれました。 慌ててアルバムを買い集めて聴いてみれば、なんか昔聞いた気が、、と思ったから。 ラジオや何やで、耳にしていたのだと思うけど、、、"Up系のJAM"って感想だったのかな。

それにしてもあのビデオクリップはすごかった。あんな表情で歌うものなんですか?!って驚きにも満ちた感銘を受けたから。それまでも様々なアーティストのビデオクリップを見てきたけど、 あれ以上は無かったから。 今でも、MarJ.の入り口としては3rd[share my world]が1番いいと思う。 (バラード・ヒッツは持ってないのでコメントできません) けどそれでも、1番いいのはビデオクリップだね。 断言できる。 高めの綺麗な声っていう訳でも、レンジを誇る訳でも無いから、最初のパンチも取っ掛かりも少ないのかな。「騒がれてるから、買った割には気に入らなかった」と言う人もいたしネ。けど、

女性から見ても、この人大丈夫かしら?ってハラハラしちゃうのはMaryJ.ぐらいでしょう
それって、ある意味すごい事だと思うな。わき目も振らず、 あそこまで<Only>になれて、皆、何処かでうらやましさもあるのかな。
冷静に見れば、少しは退却路も考えた方が・・・。いい指導者ほど「引き際を見据えて戦争をする」って言うし。戦争も恋愛も同じでしょ。久遠の昔から未来永劫まで、形は変わっても無くなる事は無いと思うだからこそラインを引かなくちゃ、ズルズルいっちゃう。欲しいほどに。それは両者に当てはまる気がするや。
あれだって 抽象的な目標過ぎたとは思う。間違っては無いけど、現実は伴ってなかった面もあるし、ABCDの干し上げも分らない事は無いけれど・・・って、これ以上祖父の代についてとやかく言いたくは無いが。

とにかく、MaryJ.には、そのラインが無かった気がする。いや、
《ラインが無い》というラインがあった、、、
悪いとは思うけど、最初から破綻を運命付けられている気がするや。というか、彼女がした事は"恋愛における特攻隊"だと思う。言い切ってしまえば。



話がズレてしまったが、3作目です、ハイ。この中にある R kellyとのデュエットも好きなんだよね。二人の味が上手く溶け合ってて、、、 そう思っていたら、雑誌とか見ると、1番評価が高いのは2nd[My Life]だった。 それが、ずっと分らなかった。 って、まあ人それぞれとは思っていたけれど。 けど、やっぱり気になってた。 1st[What's the 411]は聴けば、後学問ながら"なるほど"って思った。 それがその当時、どれだけセンセーショナルなのかは分らないにせよ。 2ndは、、、グルーブに乗ってるとは思ったけど。 そのまま、何となく、、、棚に並んでて、たまに聴いた。
2年後にやっとネットで歌詞を手に入れた。 それで一気に霧が晴れたかのようで。

現在進行形の悲しさ

哀しさにさえならなく、夜も眠れず、独りになりたくないとおのめく。 あなたが欲しい。あなたの女性になりたい。私を信じて欲しい。 貴方と幸せな家庭を作りたい。 そう願っても、男は浮気性。

うーーん、女性が此処まで赤裸々に伝えるなんて。こんな事すりゃ、余計男は去ってくだろうに、、、 って詰まらないツッコミを入れたくなってなるけど、そんなのを遥かに超越してる。 確かに有名な話らしいから。後々で、何となくの文章で知った自分でさえ、 これだけ知っているのだから。もちろん最初に聴く前から知ってたけど、、このアルバムのグルーブ感で、ここまで悲しい事を 歌っているとは思わなかった。

けど、このグルーブだからこそ詰め込む事が出来たというべきか 
最後の気力を振り絞って、貴方が好き と伝えてる。

「一夜の女にとられてたまるもんですか。貴方をわかるのは私だけ」 ってさ、言っちゃ駄目だよ。メアリーーそれだけは。  "Dont't go"を聴く度に、バックコーラスに参加する自分だけど、 うーーん、出来れば発売された時に参加したかった。加えたくない「あの時聴かなくて後悔したリスト」に追加かな・・・ このアルバムは。

売れたあとの2作目って基本的にイマイチが多い。 けど、このアルバムは違う。それは結局の所で、MaryJ.は求めて無いからだと思う。 彼女はもっと別の事を求めていて、それを本気で求めていたからこそ、例え結果として満たされなくても、、今の位置にいると思う。歌詞を見ても、取り立てヒネリの無いストレートな、ある意味、何処にでも転がっているフレーズだけど。 だけど、そこら辺のシンガーじゃなくMaryJ.が歌うと、 それだけでSoulになる。それがクウィーンたる所以だけど。
だけど、可哀想そう。

可愛い可哀想さ
このアルバムを聴く度に不謹慎ながら、「可愛いなーMaryJ.は」と思ってしまう。
恋愛に関する本人の不器用さを突き詰めて、悲しみを引き受けて、その果てに、何処にもいけない悲しみと、それを表現した歌が残って、 彼女はSoulの女王アレサ・フランクリンを継ぐ女性にまでなったけど、、、 なったけど、、、その歌は時代を越えて人を捉えても・・・

男は意地と気合と根性で戻らない
そんな今のK-ciの事を自分は密かに好きだったりして。 こんな事いうと女性陣から白い目かな?
けど、そんなK-ciだからこそ惚れたとも思ったり。
それにしても、Dalvinプロデュースの曲もかなりいいんだよね。 彼、実は、自分より重い人の前ではかなりいい奴なのかも。
言ってしまえば、《特定の女性に依存しないスタイルでありたかったK-ci》なのに、本人がどうしても認めたくない程に今の彼はMaryJ.があってこその《K-ci》だと思う。それが、MaryJ.の唯一の達成できた事かな。
「身を捨てて、浮かぶ瀬もあれ、ノモハン」
続き

[home]