Tweet
"souhtern hummingbird"
午後の紅茶、夜の紅茶
[2002/05/11]

Missy Elliotのレーベルからデビューした女性歌手ということで、良くも悪くもAALIYAHと比べられる彼女。デビューHITとなったOOPSはそのライン上で捉えれるが、実際のTweetはちょっと違う心情の女性歌手だと思う。彼女は確かに独自の歌世界を構築できている。けど、Missy達との距離感がまだしっくりしていないと感じた。

彼女らしさと、求められる女性像の間での葛藤
曲にしても声にしても一曲毎に見れば文句無しなのは間違い無い。だからこその葛藤だと思う。ティンバラント・クルー全体の志向性とtweet自身の志向性はちょっと違う気がする。AALIYAHが絶妙にFitしていたのと正反対。というよりも、AALIAYHがクルー全体の志向性を作る上で重要な役割をこなしてた。だからこそ、tweetもMissy達も引きずっている気がするや。それが聴く側にまで伝播してきて、最初の間はなんか違和感を感じてしまった。

一曲目から「お、イイ声してるなぁ」と思わせる。そこから5曲目までで、「これはMissyレーベルどうこうで捉えるべき歌手じゃない」と認識させられる。特に4:Best Firiendsはデュエット曲ながらtweetの歌世界が伺えれる曲になってる。6,7,8曲目は確かにMissyレーベルに相応しいカッコイイ曲なのだが、9曲目のMotelがイキナリ彼女の奥底がみえるような曲で、曲の連結感がチグハグな気もしてしまう。個々の曲自体はイイからこそ、アルバム自体の統一感が弱くて、Up-Downの差が激しいと思っちゃう。個人的には10曲目:Beautifulが1番気に入りました。

この曲はまさしく午後Tea
「紅茶を飲みながら」のコーナーに登録できるアルバムは滅多に無いのですが、この曲をもって見事該当すると思う。光がこぼれる午後に似合う曲だと思う。tweetの声の魅力もトコトン味わえるので、かなりいい。この心情世界はTerry Ellisに近いと感じた。で、よくよく見てみたらアルバムタイトルは[Southern Hummingbird]。小さ過ぎてずっとセルフタイトルだと思ったけど、違ってた。やっぱりなぁーーという気分です。ただ、TerryとTweetは両方とも紅茶に似合うけど、ちょっと違うと思う。

Terryのアルバムを聴き込んで見えるのは、「女友達と遊んでる彼女を、ちょっと離れた所から微笑んで眺めてる」ような手触りだから。けど、このTweetのアルバムはあくまでお互い向きあっているモノがある。それにMotel等の他の曲を考えると夜というイメージも強い。という事で、題名はそんな意味です。

最後にMissy風の曲が来るからなぁ。曲はいいんだけど、やっぱり連結的に問題がある気がするなぁ。乱暴に言えば、tweet-missy-tweet-missyという並びで、3回の変化について行かなくちゃいけない。ティンバランド・クルーが生みだす感覚とtweet自身の感覚が違う以上、3回の変化は多い気もする。そこら辺がアルバムタイトルの字の小ささと結びついてる気がする。確かにTweetは独自の世界を持っている。だからこそ、最初に求められる像を出した後、少しずつ段階的に自身の像にシフトしていく構成にすべきだったんじゃないのかな? 

このアルバムは今後のティンバランド・クルーの方向性を占う事が出来ると思う。これを期に本格的なレーベル運営に乗りだすのか、それとも志向性までも厳選されたメンバーに絞り込む事でクルー全体のイメージを保とうとするのか、一体どちらに向かうのだろう?? ただ、ここまでの成功を勝ち得たティンバランド達だからこそ、丸くなるのも必要な気もする。

もし周囲にTweetを薦めようとしたら、曲順を変えて渡すかもね。それ位、個々の曲が良くて、全体としては浸りにくいのが惜しい。
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