Isley Brothers
"Body Kiss"
60過ぎの男気
[2003/06/01]

2001年発売の前作"Eternal"はホントに良かった。昼にも夜にもピッタシのアルバムで、間違いなく彼らの光が出てたから。どれだけ聴きこんだか分からない位は聴いたし、周囲にも貸したりしてた。あのアルバムで後輩が一人R&Bに来たしね♪ けど逆に、「キツクいえばこの先10年はこれ以上は無いだろう」って思ってた。甘く見ても5年は無理だと。そこまで人はポンポン傑作は作れないよ・・・。だから新作がこのレベルになったのはホントにびっくり。R Kelly一人に任せるというのもずっと好意的に受け取れなかったしなぁ。けど、このアルバムを聴きこんで、

あの時期のR Kellyに全部委ねる男気
これこそが傑作に結びついたと痛感しました。 よく、「有名になったアーティストは新人プロデューサーを発掘しろよ・・・」と思うけど、まさか賞味期限間近のどろどろプロデューサーをここまでリフレッシュできるとは思えなかった。かなり驚愕!! R Kellyの"TP-2.com"は、この先下り坂を思わせたし、幼児疑惑はホントどうしようもなかった。なのにR Kellyの新作があれだけ傑作になったのは、Isley Brothersのおかげなんだね。このアルバムはその証明となるんじゃないかな。それ位にR Kellyはいい仕事をしてる。前作には及ばないが、かなり近いレベルに来てるや。まさしくIsleyはR Kellyの後見役、いや「父親役」というレベルを引きうけてるよ。それ位に揺らいでない。

きっとR Kellyはずっとこれを求めていたんだろうな・・・
そう実感してしまった。結局、彼の混線はこの形でしか解く事ができなかったということか。恋愛から生まれた事は恋愛で解けるけど、そうじゃない問題にまでは無理という事なのだろうか??? そんな事を考えながら、本作とR Kellyの新作を聴きこんでました。

1:superstarからナイス。前作と同じく1曲目にMiddleを持ってきてるけど、ラファエル・サディークが作ったあの曲とタメはれる。明るさでは負けるが、さすがにそこまでは無理だよネ。もちろんアルバムの入り口としては文句無いです。 2:Lucky Charmもしょっぱなから光を召喚してる。前作の最高曲に負けない仕上がりで、この2曲を試聴した時点で買うのを決めました。 3:What Would You DO?でのサビの声の重ね方に一番、お互いの信頼感を感じるや。 7:Keep it Flowin'もMiddleの曲で、アルバムの幅もナイスです。
もちろん本作のMAXは9:Take A Rideでしょう。アーニーのギターソロがあってこそ、MAXに行くんだね。10:I want't thatも見事です。

70過ぎになっても自力で歩く方法なんて、逆さにしても思いつかなかった。けど、「相手から引っ張り出す事」で見事に達成してる。それがこの世の答えなのか・・・ 前々作はエロエロしかなさげで買う気になれなかったのに、そこから本作までのIsleyの歩みはホントに示唆に富んでる。久々に頭をぶん殴られたような感動。あれだけプロデューサーを集めた前作には敵わないが、R Kellyは一人で3人分は仕事をしてるよ。

温かみのある揺らがない視線が全ての鍵になるのか
確かに、今まで1度も出来たことないなぁ・・・そんな意味でもショックの多い本作だった。特にR Kellyの新作があのレベルになってるから。そんな意味ではやっぱり大御所は凄い。前作で恐竜星人を撤回したけど、ロンに対してもっと格のあるニックネームを考えなくてはならないや。 こうやってSoulの時代からぶん殴られれば、どんどん今のR&Bも進んで行くのだろう。若いアーティストは必死に探しに行ってるが、それよりも大御所達の一撃の方が偉大かも。この作品は、まさしく一撃のひとつ。アーティストとプロデューサーの関係としても輝ける1枚です。


もしIsley Brothersがいなかったら、R Kellyはホントにあのまま終わっていたのだろう。「エロに始まり、途中で傑作を作るとも、エロに終わる」 それは結局、「エロしかなかった」と同義じゃないかな。歴史の裁きは全てに厳しい。Isleyがいたおかけで、R Kellyの数十年後の評価は180度変わったと思う。Isleyがいなかくても、R Kellyに残された道はあったのだろうか??

Sparkleとあんな形になった時点で、女性サイドからは無理だろう。あれでダメなら、全部無理だよ。AALIYAHへのプロデュースもあんなことになったのだし・・・ けどさ、唯一残ってると思うんだよね。年下の男性アーティストへの全面プロデュースが・・・。結局、それをR Kellyは選べなかった。選べたら、きっと自力で解けていたのに。 けど、そこまでを求めるのは酷というものか。きっとR Kellyは若い男性アーティストを見るたびに、「あの時の俺のように悩み苦しんでる? YESと言えるなら」って思っていたのだろう。プロデュースが無かったのはR Kellyの視野の狭さじゃなくて、そこまでの若者がいなかったのだとは思うから。けど、この視線に「温かみ」は微塵にも無いんだよね・・・ そんな意味でも本作にはホント思い知らされたな。

Isleyのおかげで、やっとR Kellyは年下男性アーティストの全面プロデュースができるようになるだろう。そんな作品はホントに聴きたい。きっと本作以上になると思うから。そして、最後は女性アーティスト全面プロデュースへの再兆戦かな。現状に満足せず、ここまでを目標に歩きつづければ、R Kellyが70歳になったときには、Isleyのような偉大なアーティストになれるだろう。そんなR Kellyの姿は本気で見たいです。
[2004/07/18]

皆さんはアルバムの冊子の最後のThanksコーナーをどれだけ読んでいらっしゃるのかな?
R&Bを聴き始めた頃、いつもGodが最初にきて、家族と友達・プロデューサ陣と続くのに、どのアーティストも同じジャン・・・と思って読まなくなって10年なんですが。最近、気持ちを入れ替えまして、読むようにしています。よくよく読んでみると、友達の歌手へのお礼から、そのアーティストの交友関係が伺えてちょっと面白い。この前のKelly PriceにはTONEXとか出てきて、へーと思ったが。やっぱりレーベル・プロデューサ・アーティスト関連図って欲しいよなぁ。そんな特集はbmrでやってるのかな?

で、Isleyを読んでたのですが、Special love to my son, the producer R. Kellyと書いてありました。やっぱりIsleyは父親役を引き受けてるんだね。読んでみると、Mr. Biggsというキャラで90年代に復活したのはR Kellyのおかげだからと書いている。確かにR KellyのDown Lowからだもんなぁ、うんうん。一番よかったのはA very special thanks to all of my "diehard battery"fans who have been with me all of these years diehard batteryっていい単語ですね。
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