Brian Mcknight
"GEMINI"
歌い続けることに意味がある
[2005/03/19]

ジャケを見た時から「また横顔ですか、、、」ってショックを受けながらも、処女作に似た手触りで期待してた。前作よりは上だとジャケからも分ったから。売る事をビタ一文考えてないようなジャケな前作だけど、そこそこイイ曲は揃ってる。ところが、アルバム全体としては「混乱」なんだよね。タイトル曲のU-Turnがまさにそう。その点で比べて、本作は背骨が通ってる。それが、「歌い続けなくてはいけない」という意思だと思う。
2作目発表の歌手とかにこの方向性を出されても、あんまり感動しないが、マクナイトはもう大御所だからなぁ。発売したアルバムの枚数も、歌い続けてる期間もTOPクラス。けど、やっぱり誰の人生にも色んなことが生じて、いつも歌える気持ちでいれる訳じゃない。けど、やっぱり「歌い続ける」必要があるんだよね。突き詰めるとそれだけしかないのが歌手だと思うし、それこそが誇りの源だと思うから。

「もし引退したら、奥さんは戻ってくるのだろうか?」なんて事をマクナイトがウンウン悩むのも想像できないが、痛みを共有できない弱さは本作でやっとなくなったと言ってもいいかもね。Back at Oneじゃ"Are You Lonely for Me"って余裕ぶちこいてたのにね。今のこの時点で言った日には離婚訴訟の賠償額がハネ上がるぐらいの結果しかないからなぁ。そんな点では、やっと普通に近づいたといってもいいかもしれない。

アルバムを買って、2:What We Do Hereを始めて聴いた時は「いつもと変わらない」と思った。「今回は違う」と感じたのは、5:Everything I Doや6:Here With Youからです。

リゾート地に1人で佇んでる笑顔が浮かんできて、このジャケそのままの手触り
マクナイトの良さが明るさと供に出てるけど、どっかで物悲しい。その物悲しさを見せようとしてないのに、手の隙間からこぼれて来る感覚で、かなり嬉しかったです。見せれる傷みは痛みじゃねーよ。ぶっちゃけ見せてる傷みなんてのは、相手を測る意味しかない。

7:All Over Nowの明るさもいい。横顔だけでなく、瞳を帽子で隠しているのにも不満大だったけど、ここら辺の曲を聴くと、口元に浮かぶ微笑とリンクする。けど、瞳は笑ってないのだろう。そんな奥深さを感じてる。色々連れてきました感がありまくりの8:SHEだけど、悪くない。前の曲よりも声に痛みが増えて、バランスが取れてる。9:Stayは前の曲で変わったのを戻す役目かな。

最高なのは10:Come Backです。そのまんまのタイトル。この曲が無かったから、前作は駄作だったのだ。これほどまでに痛みが表現されているのに、R KellyのDeepな曲よりも聴き込める人は多いだろう。それがマクナイトの積み上げてきたモノだし、、痛みとのぶつかり合いが新たな地点を見せてる。

処女作から数えて、始めての悲しみ
1:24のバックの金切り音が最高。これ以上長くても短くても、効果は半減したと思うから。曲の途中でMarvinのOHHという声を参照しながらも、あくまでも個人的な話に引っ張ってきてる。その切実感も好きな点です。

Jazzタッチの12:Your Songはかなりいい。元々、Jazzアルバムとの二枚組みの予定だったというが、この曲を聴くと凄くそちらも聴きたくなる。ふたご座というタイトルがずっと謎だったけど、二枚組みをさしてGeminiといっているのならば、2枚目も聴けないと片手落ちになるよなぁ、ホント。オレッチはJazzは好きでも嫌いでもない。コメントできるほど聴いたこと無いけど、R&Bのアルバムを聴いてると、「あっJazzタッチの曲だ」って思うことはよくある。このアルバムは、マクナイトの声が処女作にあるJazzタッチの曲と同じで、かつ違っていて、その影模様が好きなんだと思う。

Lordとは言ってないが、Fatherというフレーズが印象的なのが11:Me&Youです。歌詞カード見てないから、よく分らない。もうちょっと聴きこめば、見えてくるかな。

改めて聴くと、3:Evertime You Go Awayはいいと思う。いつになく声に力がこもってる。余裕かましてた頃にはあり得なかった激しさ。「君が戻ってこなくても、僕は前に進んでいかなくちゃいけない」って歌ってる気がするけど、まだ歌詞カードを見る気持ちにならないので、そこら辺は不明。歌手が何を歌っているかじゃなくて、歌手と自分の間に何が浮かぶかの方が大事だと思ってるから、まあそんなペースにはなるんだけど  処女作のGoobye my loveら辺にかなり近いと思う。4:Grown Man BusinessはSuperheroからの身につけた歌い上げだけど、なかなかナイス。ここら辺の歌い方はマクナイト独壇場だね。

裏ジャケを見る。口元も目元も笑顔だけど、眉毛の辺りにはかなり痛みが積み重なってる。じゃあ目元を隠してる表ジャケはもっと泣いてるだろう。最近はよく、この表ジャケを見ながら、マクナイトの瞳を描きながらアルバムを聴いてるや。


改めて、マクナイトの全作品を聴き直してました。曲の出来としては、U-turnは悪くないと思った。一曲だけ取り出して聴くなら、ナイスな曲が多い。仕事帰りのOLにお勧めなI remember youは悪くないけど、本作の次はもう1歩踏み込んで欲しいかな。

それにしても、このアルバムと1stを対比させて、もうちょっと1stが分った。二十歳の頃に、
ただ、彼のアルバムはそれにもう一つプラスが在ります。レイド・バック感とは別のものが。それに一番 惹かれているんです。

それは何ですか。

聞けば、きっと見えてきますよ。
って書いたけど、それは「未練切り」だと書いたけど、やっぱり何かが違うんだよね。未練切りというのは、彼の動作であって、最深部にある感情ではない。あのアルバムにあって、本作にない、一番大きな点は、

《熱さ》
だと思うんだよね。あの処女作に熱さを感じる人もそんなにいるとは思えないけど、やっぱりあれは一つの熱さなんだと、やっと分った。その熱さを寛ぎに置き換えれば本作になる。K-ciオンリーには分らないだろうが、リチャードソンも熱さを抱えてる。マクナイトの処女作もそう。リチャードソンの「欲しいという感情からF***ing を抜いた熱さ」に加えて、冷静な視線と終わった直後の痛み。そんなブレンドがあのアルバムになる。結局、そこに僕はずっとずっと惹かれていたのだろう。
アルバム点数はこちら
  
[2005/03] Weekly Comment

あーもう01:30 明日も会社だ。寝なくては。。。
Geminiが届いたんで、早速聴いてました。マクナイトレベルになると最初に流して、気に入ったらR&B-Timeなんてstepはしない。一 気に聴き込む。いやーー、学生時代だったらこのまま2回は繰り返すんだけどなぁ。そして、そのまま自分自身を一気に変えれる位の反発力を手に入れれるのに なぁ。学生さんには言っておくけど、ほんと今のうちしかないよ。今のうちしか。

朝、会社に行く時もヘッドフォンで聴いてたけど、改めて聴くと、一曲目からコンセプトが貫通している気がする。これから毎晩聴き込めば週末に書けるんだけど、もう一段階、深掘り出来る気もする。6:Here With Youを聴くと、混乱に満ちていたU-Turnから歩いている事が分ると思うよ。一番イイのは断然、10:Come Backでしょう。この歌い方はMarvinを参照しているけど、それをこれだけ悲しみの方にひっぱてきている。処女作から数えて、初めての悲しさになるんじゃないかな。

そうそう、社会人になって一つだけイイことがあるとすれば、「自力で稼いで暮らしてる」になると思う。 色々と悩んでいる人もいるだろうけど、働いて・暮らしていくことに勝るものは無い。昔はそれだけで立派な価値があったのにね。先の大戦後から当然のレベルと見なされるようになった。けど、どれだけ日本自体が裕福になったとしても、やっぱり社会にもまれながら、働き、そして暮らしていくのはやっぱり価値があることだと思う。そのラインはハッキリさせた方がいい。で、社会に出て何年か働いた後に、無性に勉強したくなったら、大学とかにでも入ればいいんだと思 う。

最近は引きこもりだけでなく、ニートとか社会現象になってるけど、そんな人たちも此処に来てると思うけど、その気持ちはよく分る。オレッチもよく留年しなかったっていう位だからなぁ。あの頃は、「こんなグタグタ言ってる暇があったら、青年海外協力隊にでも入ればいいんだ」ってよく思ってた。それよりは古武術してR&B聴く方を選んだ訳だけど。Jazzタッチの11:Watcha Gonna Do?もいいし、13:Me & YouはLordの曲としていいと思う。ジーザス、ファーザって言葉が印象的な曲。マクナイトのアルバムは、Jazzタッチの曲とLordが最後にあれば 傑作なんだよ。それが一番簡単な測り方じゃん。

このアルバムを聴けば、そういうシンプルで、一番大事な事が分ると思うよ。「そこそこバイトすりゃ、誰でも暮らしてけるじゃん。それに何の意味があるんだ よ」って思う人ほど、このアルバムを聴けばいいんじゃないかな。瞬間的には意味のないことでも、続けていけば意味が出てくる。そして昔よりもちょっとはマ シにできるようになる。その積み重ねだけなんだよね。そういう思考を出来るかどうかが、別れ目になる気がする。


HOME