Boyz II Men
"Full Circle"
やっと心情に楽曲が追いついてきたかも
[2002/06/1]

半月ほど前、HPで知り合った方から「今テレビでBoyzIIMenのメンバーと小柳ゆきが出てるよ」とメールを頂いた。「なんでも新Unit結成らしい」 この瞬間に彼らの新作を買う気が無くなった。その前にボーイズIIメンは、アルバム5枚の契約でモータウンからアリスタへと移籍した 」というニュースを見て、おいおい5枚も大丈夫かよ・・・と思ったんだけど。

あいも変わらず日本盤先行というのもやっぱり好意的には受け取れないしね。ショップで流れる"the Color of Love"は「Babyfaceの曲をBoyzIIMenが歌っています」というテロップが流れていそうな曲で、悪くはないが買う気にさせてはくれなかった。そんな状態でためらってた1週間だったが、なんやかんやでBoyzIIMenだから。義務なのか、一抹の期待なのか、自分の歳の確認なのかよく分らないけど買ってみた。

2年前に発売された前作の[Nathan Michael Shawn Wanya]は「楽曲は大したものじゃないが、心情はいいと思う」というのが素直な感想だった。本作を前にして、「さて自分は彼らに何を望んでいるのだろう」と思うと、何も答えれなかった。結局、「大して何も望んでない」というのが素直な答え。というよりも「CDの袋を破りながら感じるドキドキが零」だから。

一曲目はFaith EvansをFeatしてる曲。思った以上に盛り上らずに終る。Featした意味はあるのかなぁ、と感じてしまった。2曲目はお決まりの"the Color of Love"だった。「1stのCooleyHighHarmonyに帰る」という方向性らしい3曲目もなぁ・・・飛ばし決定。そんな流れで買ったことを後悔しそうになったその時に、

思わずラジカセを見てしまう曲が始まった
おいおいでクレジットを見ると、Jam&Lewisだった。ここ数年のBoyzIIMenの曲の中でもトップクラスだと思う。今まで以上にSmooth感を打ちだしてる。やっと今の彼らの心情にFitする楽曲に巡り会えたね。さすがJam&Lewisだ。

この曲をステップにしてこの先に展開していくのを望むのだが、5曲目はボチボチ。イイ曲の後は微妙に採点も甘くなるけど、まあまあが素直な気持。6曲目のOn the Road Againはちょっと異色。おや?と思って聴き始める。けど、最終的な感想は「後1歩」だなぁ。

心に刻まれた「ざらつき」を伝えるに弱い
この方向性の曲だと思うが、「出すのに躊躇ってる」と感じる。全く、成功を重ねている訳じゃないのは誰でも知ってるのにね。まだ自身のイメージに囚われていると思ってしまった。続くRight on TimeはBadな方向性。悪くはないがBoyzIIMenに歌って欲しいとは思わないなぁ。ということで、またもや買ったことを後悔しそうになった時、思わずラジカセを見てしまう曲が始まった

泣きのこもったUHHが何より素晴らしい
8曲目:Right on Time クレジットはEdmund Clement/Anita McCloud
すみません、プロデューサは知りません。けど、かなりイイ曲。個人的に「ファルセットほど泣き」があるから。この曲は見事に該当。久々にアドレナリン全開の曲。BoyzIIMenの曲にそれを感じたのは・・・何年ぶりだろう。彼らが歌うべきで、彼らしか歌えない曲だと思いマス。BoyzIIMenのBestだけでなく、R&Bのセレクト集にも収めるつもりです。

続く曲は、まあボチボチ。Jam&Lewisがつくった10曲目は(4曲目の方が上だと思うが)カウント。11曲目もなぁ・・・。ウンヤが作った12曲目はそこそこの出来です。13曲目もカウントしていい。そんな感想です。


今、二十歳以下の人はBoyzIIMenをどれくらい知ってるのだろう?
と、たまに思う事がある。ベストアルバムくらいは持ってるのかな? けどベストアルバムは「イイ曲が並んでます」過ぎると思っちゃうんだよなぁ。本気で薦めれるのはいつになってもクリスマスアルバムだけだから。若い人達に薦めれるアルバムが発売されることを待ち望んでいます。その観点から眺めると、今回のアルバムは「興味があったらどうですか?」位です。

P2S2H2としては、4,6,7,8,10,12,13を位を試聴して決めるのをお勧め。流れまくってる"the Color of Love"で判断しないで下さい。個人的には4,8が大ヒットなので「買って良かった」と思いました。



5枚作れるというのはどうなんだろうね。その分、売りに走らなくていいけど、どうしても純度は落ちる気もする。悪くはないけど、そこまでお勧めじゃないアルバムになったのは、やっぱり「売るために一時的にユニットを組む」というので一目瞭然かもね。次ぎもそんな事したら、パスかな・・・

あそこまで売れちゃった後だと、本当にどうしようもないのは分かる。彼らの人柄的に、むやみに解散したりしないで、ずっとグループ活動を続けているのも。だから、こそマンネリ打破の新風が必要だったのだろう。そんな意味では新ユニットも意味がある。けど、彼らはどれだけ小柳ゆきの曲を聴いたの?って思うから。いつだって後から続くグループのお手本になってる彼らだからこそ、頑張って欲しいと思ってます。5作の長さがあるなら、もっともっと振れていい。
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