BoyzIIMen
《成功》そのものに、ホッと、肩の力が抜けるというのなら
[2001/04/08]


普通のグループなら解散してるか、メンバーが変わっていてもおかしくないと思う。 それだけ成功して、そして良くも悪くも今の位置にいるのだから。やっぱり彼らは90年代において1番売れたグループ。日本でもCDを持っている人も多いしね。けど、だからこその反動も有ると思う。 彼らを過去とする事で、現在のポジションが明確になる事もあるから。特にあれだけ売れちゃうと、、、
デビューした頃は、そこまでのグループだとは思えなかった。 あの頃は幼な目に見ても、Silkの方が勢いがあった。 けど、Boomerangは見に行ったんだよね。どっかで惹かれてたのかな?少しずつシングル買ってたのに、とうとうアルバムを買う羽目になちゃって。これで大丈夫だろうと思って"+5"を買ったら、その後、駄目押しの"+6"が発売された。アレには参ったなぁ。
ってこう振り返ると、やっぱり最初から気に入ってたんだね、彼らの事。そんな自分の好みを、最初の頃は上手く説明できなかったけど、、今になってやっと分ってきたと思う。


あの頃から、彼らはずっと、押しつけがましくないグループだった
そこが1番R&B臭くなかったのかも。だからこそ、あれだけ売れたのかも。 話を日本人に限定しても、生理的にR&Bが受けつけない人はいると思う。 「あの、イヤらしい感じがイヤ」って。 そういや、Silkはそれがウリだった気もする。(Silkの1stの後半は違うけど、"Freekin You"はモロかな)
けどBoyzIIMenはそれがないんだよね。だから、《イノセンス》って捉えられることも多いのも良く分る。なんやかんやで自分もR&Bを聴き初める人には、最初に彼らを薦める事が多いもんね。
けど、R&Bにハマって何年かするうちに、もうBoyzIIMenじゃ満足できないとは思ってた。高校の頃、2nd[II]をあれだけ聴いたけど。今は余り手が伸びないし、、、って。3rd[Evolution]はまとまりのないアルバムだっと思う。というよりも、直ぐ買って、直ぐに聴かなくなちゃった。あのアルバムは自分達が過去になっていく事に対して、最後にもがいているような気もした。 有名プロデューサーを集めて、よく見るといい曲もチラホラあるのだけど、 彼らはスーパー・グループを殊更に求めないという所に、立脚点があるような気がしたから。

だから、その頃はずっとクリスマス・アルバムが1番好きだった。 何よりも、このアルバムには存分に「らしさ」が有ったから。 特に"Why Cristmas"ではウンヤが叫んでる。全開にして叫んでる。 BoyzIIMenが自身の中の衝動で曲を作って、わき目も振らずに叫んでるのはこれだけのような気がしてたから。

何やかんやで、振り返ってみると、 「BoyzIIMenもねーーー」と言えるようになった自分に満足だったのかも。自分にとっても彼らは"過去の人"になってたと思う。

けど、この4th[Nathan,Michael,Shawn,Wanya]を聴いて、やっと分かった。
彼らはここで自分自身を捉え直してる。 それも見事なほどに。ここまで出来るからこそ、彼らの事を好きなんだよな、、、 って改めて思った。 曲そのものは、大した事ないんだけどね。メロディーラインもヒネリ具合も、 3rdの最後の方の役に立たない曲に近いとは思う。結局、彼らは1度も、Babyfaceの作りだしたフォーマットを超える事は無かったとは思う。 けど、このアルバムでは過去の自分自身を超えている。 変に達観ぶってない所が、魅力的だと思う。普通ならもうちょっと引きずってしまうか、逆にことさらな態度に振れ過ぎるものだと思うけど。だけど彼らは、自然体なんだよね。


デビューした頃も、売れた頃も、そして今も、ずっと変わらずに
別に何か取りだせるほどの特徴があるアルバムじゃないとは思う。けど彼ら以外の人が歌ったら、全く違った曲となってしまう気がするや。

もうスーパーグループじゃない。 だけど、そこから始まってもいいんじゃないかな

この感覚はBobby Brownの[Forever]に近いモノがある。売れた人って苦労してるや。マイケル・ジャクソンはもちろんの事。きっと、昔よりこの傾向は強くなっているのだろうし。けど、このアルバムで、彼らは彼らしか見せれない光景を垣間見せている。何度聴き返してもそう思う。

お勧めはやっぱりバラード・コレクションでしょう。ベストだしね。
いや、やっぱりクリスマスアルバムかな。

やっぱり、マイケルが低音ボイスを響かせてこそのR&Bグループだったと思う。 アトランタ・オリンピックの企画盤での国歌で、 初めてマイケルがパート一つ任されているから、ファンは必聴だと思いマス。次ぎはもっとマイケルも歌って欲しいな。
4作目  クリスマスアルバム特集

[Home]